ワウペダル

MXR「MC404 CAE Wah」レビュー:迷ったらコレ!実践派の傑作ワウ

MXR MC404 CAE Wah のイメージ画像

このワウペダル、安心感がハンパない...。

MXR MC404 CAE Wah(以下、MC404)を体験した時、真っ先に感じるのは、これまでのフラストレーションからの解放感!
そして、この立体的で、音楽的なのに泥臭すぎず、圧倒的に実戦的なトーン

1960年代後半、クライド・マッコイの時代から続くワウペダルの歴史は、その構造的な制約から、多くのギタリストにとって「音痩せ」や「ノイズ」、「ボードでの取り回しの悪さ」といったジレンマを常に抱えてきました。しかし、このMC404は、その半世紀にわたる課題に対する明確な回答を提示しています。

このペダルは、プロギタリスト、セッションミュージシャン、そしてシステムのプロフェッショナルたちが絶対的な信頼を寄せるCAE(カスタム・オーディオ・エレクトロニクス)とMXRのコラボレーションによって誕生した、現代のツアー/レコーディング環境に最適化された傑作ワウペダルのひとつです。

使用レビュー:2モード+ブースター搭載の無敵感と安心感

MXR MC404 CAE Wahは、プロレベルのライブとレコーディングの厳しい要求に応える、オールインワン型のワウ・ペダルと言えるでしょう。

最大の魅力は、Yellow/Red Faselという異なる個性を持つデュアル・インダクターを、フットスイッチで瞬時に切り替えられる点。粘り気のあるクラシックトーンから、ワイドレンジでアグレッシブなモダントーンまで、曲に合わせて即座に対応可能です。

さらに、最大+20dBの独立ブースター(サイド)と緻密なQコントロール(内部)を搭載。ソロでは音圧を圧倒的に向上させ、アンサンブルで埋もれる心配は皆無。

「ヴィンテージの質感」と「現代の信頼性」を兼ね備えたMC404は、「どのワウを選ぶべきか」という迷いを一掃し、ギタリストに無敵の安心感を提供してくれます!

圧巻の表現力:異なる個性の「デュアル・インダクター」搭載

MC404の核心は、2つの全く異なるインダクター回路を内蔵している点にあります。筐体サイドのキックスイッチで、瞬時に音色キャラクターを切り替え可能です。

  • YELLOW FASEL (HC-35 Inductor相当):ミッドレンジに集約された、古典的なクライド・マッコイやジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせる、粘り気のあるウォームなトーン。Q(ピークの鋭さ)は適度に穏やかで、ブルースやファンクに最適です。
  • RED FASEL (Halo Inductor相当):よりワイドレンジで、高域と低域に広がる、アグレッシブでモダンなトーン。Qはより鋭く、ハードロックやメタル、そしてアヴァンギャルドなフュージョンサウンドにその真価を発揮します。

この機能により、ペダルボード上で2台のワウを使い分ける必要がなくなりました。楽曲やセクションの雰囲気に応じて、指先(足先)一つで音の質感を再構築できます。

トーンの可変性:サイドマウントの「ブースト・ノブ」と内部「Qコントロール」

MC404は、単なるワウ回路の切り替えに留まりません。ペダルの側面に配置されたブースト・ノブと内部で調整可能なQコントロールが、サウンドメイキングの自由度を劇的に高めます。

  • BOOST (ゲインコントロール):最大+20dBのブーストが可能です。ワウをオンにした際に、ソロでアンサンブルから抜け出すための音量増加はもちろん、ブーストを絞り気味にしてプリアンプ的に使用することもできます。
  • Q CONTROL (周波数ピークの鋭さ):ワウが持つ周波数ピークの「鋭さ」を連続的に調整できます。ブルースでは緩やかなピークで音楽的な揺らぎを、メタルでは鋭いピークで咆哮のようなアグレッシブさを表現。この機能により、ワウの利き方をジャンルやギターに合わせて微調整できます。

ライブでの信頼性:ノイズレスなスイッチング

多くのワウペダルが、踏み込む際に「カチッ」という機械的なノイズ(ポップノイズ)を発生させます。経験者さんも多いと思いますが、これはライブの静寂なパートや、レコーディング時に致命的です...。

その点、MC404は、CAEのノウハウを活かしたスムーズでノイズレスなフットスイッチ機構を採用。ストレスフリーなオン/オフ切り替えを実現し、演奏中の集中力を途切れさせません。

堅牢性と操作性:人間工学に基づいたペダル設計

筐体はMXRらしい堅牢なアルミダイキャスト製。そして大切なのが、ペダルのスイープ(可変)のトルク感です。過度に軽すぎず、重すぎない絶妙な設定で、微妙なニュアンスの表現から、高速な「マシンガン・ワウ」まで、足に吸い付くような操作感を実現していますよ〜。

また、ペダルの裏面にはゴム足が付属しており、ステージ床での安定性も抜群です。

徹底的なノイズ対策:ハイエンドコンポーネントの採用

ワウペダルは内部のコイル(インダクター)が外部ノイズを拾いやすいため、ノイズ対策が重要です。MC404は、低ノイズを実現する高品質な回路設計と部品(コンポーネント)を採用。特にブースト機能との併用時も、不必要なヒスノイズやハムノイズを最小限に抑えています。

伝説の協業:MXRとCAEが保証する信頼性

MXRはエフェクターの定番ブランドであり、CAE(カスタム・オーディオ・エレクトロニクス)は、スティーブ・ルカサー、エディ・ヴァン・ヘイレンなど、世界トップクラスのギタリストのラックシステム構築を一手に担うスペシャリストです。この二つの巨頭のコラボレーションは、「プロフェッショナルの現場で本当に求められる機能と信頼性」を具現化したことを意味します。

ヴィンテージワウのDNAを受け継ぐ設計思想

ワウペダルの歴史:インダクターの変遷と音色の関係

ワウペダルが初めて登場した1960年代、その音色の核心はインダクター(コイル)にありました。インダクターは、特定の周波数帯域を強調するフィルター回路の中枢部品であり、その素材や巻き方、磁気特性によって音色が劇的に変化します。

  • Halo Inductor:初期のVoxワウに搭載されていたとされるインダクター。その特有のサウンドは、後にRed Faselとして再現され、高域が鋭く、レンジが広い、攻撃的なトーンを生み出しました。
  • Stack-of-Dimes / ICAR Inductor:中期~後期のワウに使用され、現代のYellow Faselに再現されるトーン。ミッドレンジに粘りがあり、より音楽的で温かいサウンドが特徴です。

MC404は、この2つの歴史的なインダクターのサウンドを、現代の技術で再現し、一つの筐体で切り替え可能にしたことで、ワウペダルの「歴史」そのものをプレイヤーに提供しています。

フィルターとEQの境界線を超えて

MC404のQコントロールとブースト機能は、ワウペダルを「周期的に音色が変わるEQペダル」として捉え直すことを可能にします。

特にQコントロールは、ワウのピークを鋭く(Q値を高く)することで、単なる音色変化ではなく、特定の周波数帯を「叫び声」のように強調することができます。これは、ギターソロの際に、他の楽器にはない、人間的な感情を音に込めるための強力なツールとなります。

ワウペダルの使い方を、リズムカッティングから、トーンメイキングの核へと進化させる設計思想がここにあります。

詳細スペック&ビジュアルインプレッション

基本仕様

項目詳細
製品名MXR MC404 CAE Wah
タイプアナログ・ワウペダル/EQ/ブースター
電源9VDC(センターマイナス)/ 9V電池
コントロールインダクター切替スイッチ (Yellow/Red)、ブーストスイッチ&ノブ、Qコントロールノブ(内部)
バイパス方式ハンドワイアード・バイパス
ブースト量最大+20dB
製造国アメリカ(カリフォルニア州)
参考価格¥38,000前後

視覚的な存在感と操作性

筐体はMXRの製品らしく、重厚感のあるウッディーブラック。そこにCAEのロゴが配され、プロ機材としての無骨な美しさを放っています。

サイドのノブ配置の美学:モード切り替えスイッチとブーストスイッチ+ノブは、演奏中に誤って触れないよう、ペダルの側面に埋め込まれるように配置されています。

LEDインジケーター:ワウのオン/オフだけでなく、ブーストのオン/オフにも独立したLEDが割り当てられています。暗いステージでも、現在のエフェクト状態を一目で確認できる、実戦的な配慮です。

音響分析:2つのインダクターの周波数特性の深掘り

1. Yellow Fasel (HC-35相当):ブルースとファンクの粘着質

特性:

  • ピーク周波数帯域: 比較的狭いミッドレンジに集中。
  • Q特性(Q値): 穏やかで、ピーク前後の周波数帯も自然に持ち上がる。
  • 音色傾向: 暖かみがあり、アナログテープのような圧縮感を伴う。倍音豊かで、特に歪ませた際のサスティンが長い。
  • 用途: 60年代後半~70年代のロック/ブルース、ファンクのリズムカッティング。「ジミヘン・トーン」を追求するのに最適。

このインダクターは、ワウを半開きにした状態でEQ的に使用する「ハーフコック・ワウ」奏法にも優れており、ボーカルのような泣きのトーンを生み出します。

2. Red Fasel (Halo相当):モダンロックの鋭利な切れ味

特性:

  • ピーク周波数帯域: 低域から高域までワイドレンジに展開。
  • Q特性(Q値): 鋭く、特にQノブを上げた際にナイフのような切れ味を持つ。
  • 音色傾向: 明瞭度が高く、クリアでアグレッシブ。音の立ち上がりが速く、トランジェント(過渡特性)が強調される。
  • 用途: 80年代以降のハードロック、メタル、フュージョン、ネオ・ソウル。速いパッセージや複雑なコードワークにも埋もれない存在感のあるトーン

Red Faselは、特に現代のドロップチューニングやハイゲインアンプとの相性が抜群で、低域が過度に膨らむことなく、タイトなワウ効果を実現します。

ジャンル別完全攻略セッティング集

ブルース・ロック:ミッドの粘りと情感

設定:

  • インダクター: Yellow Fasel
  • Qコントロール: 9時(緩やか)
  • ブースト: 10時(わずかにゲインアップ)
  • 推奨楽曲: Cream「White Room」、Jimi Hendrix「Voodoo Child (Slight Return)」

Yellow Faselの持つ温かいトーンと、緩やかなQで、ペダルの動きに合わせて感情がにじみ出るような揺らぎを表現。ブーストをわずかに加えることで、アンプ側のプリアンプをわずかにドライブさせ、サスティンを稼ぎます。

ファンク/R&B:タイトなカッティングとキレ

設定:

  • インダクター: Yellow Fasel or Red Fasel(好みで選択)
  • Qコントロール: 12時(標準)
  • ブースト: 8時(ほぼゼロ)
  • 推奨楽曲: Isaac Hayes「Theme from Shaft」、Curtis Mayfield「Superfly」

ファンクのカッティングでは、ペダルの動きを16分音符や32分音符のリズムに正確に同期させることが重要。Yellow Faselで適度なコンプレッション感を、Red Faselでキレのあるクリアなトーンを選べます。ブーストはゼロで、クリーンなアンプトーンを維持します。

ハードロック/メタル:アグレッシブな咆哮

設定:

  • インダクター: Red Fasel
  • Qコントロール: 3時(鋭いピーク)
  • ブースト: 1時~2時(積極的なゲインアップ)
  • 推奨楽曲: Slash (Guns N' Roses)、Zakk Wylde (Ozzy Osbourne)

ハイゲインディストーションの後段に配置。Red Faselと鋭いQの組み合わせで、ワウを全開にした時の「ピーキー」な高周波の叫びを強調。ブーストでさらに音圧を稼ぎ、ソロをアンサンブルの最前線に押し出します。

ネオ・ソウル/フュージョン:テクスチャとしてのワウ

設定:

  • インダクター: Red Fasel
  • Qコントロール: 10時(やや緩やか)
  • ブースト: 12時(ユニティゲイン付近)
  • 推奨楽曲: Mateus Asato、Tom Misch

ワウを全開にせず、ペダルを特定のポジションに固定して、EQフィルターとして使用。Red Faselのワイドレンジな特性を活かし、ミッドレンジをわずかに削ることで、他の楽器との空間を確保し、洗練されたクリアなトーンを構築します。

サイケデリック・ロック:幻想的な渦巻き

設定:

  • インダクター: Yellow Fasel
  • Qコントロール: 2時
  • ブースト: 9時
  • 推奨楽曲: Cream「Tales of Brave Ulysses」、Tame Impala

ディレイ、リバーブ、ファズの前段に配置。ワウの周波数変化が、後段のエフェクトを通過することで増幅され、幻想的な音響の渦を生成します。Yellow Faselの温かみが、サイケデリックなトリップ感を深めます。

プロが語る:MC404との劇的な出会い

ツアー・テクニシャン A氏の証言

「私のクライアントである著名なギタリストは、長年、ヴィンテージワウとノイズゲートを組み合わせて使っていました。しかし、ライブのたびにポット(可変抵抗器)のノイズや、踏み込み時のポップノイズに悩まされていたんです。

MC404を導入してからは、その問題が一掃されました。特に、2種類のインダクター切り替えも、彼が曲によってワウペダルを交換していた手間を省きました。ボードの合理化という点で、MC404はプロの現場のスタンダードとなりつつあります。」

セッション・ギタリスト S氏の体験談

「スタジオワークでは、曲によって求められるワウのキャラクターが全く違います。アコースティックで使う時はウォームに、ロックのソロではアグレッシブに。以前は2台のワウをボードに組み込んでいましたが、MC404一台で完結しました。

感心したのは、ブーストとQコントロールの独立性です。ワウの『効き方』(Q)を緻密に設定した上で、『音量』(ブースト)を曲のテイクに合わせて瞬時に変えられる。これはミックス時にエンジニアを唸らせるほど実用的です。私にとってMC404は、ワウペダルというより、『足で操作するカスタムEQ/プリアンプ』という位置づけです。」

🌟 MC404 主な使用アーティスト

created by Rinker
Mascot Label Group

以下のアーティストは、ライブ、スタジオ、または機材紹介などでMXR MC404 CAE Wahの使用が確認されています。

アーティスト名主なジャンル採用理由・コメント
Steve Lukatherロック、フュージョン (TOTO)CAEとのコラボ製品であり、彼の複雑なラックシステム内で高い信号整合性と信頼性を発揮。
John Petrucciプログレッシブ・メタル (Dream Theater)Red Faselの持つアグレッシブなトーンと、ソロでの+20dBブーストが、彼のハイゲインサウンドに不可欠。
Eric Johnson融合、インストゥルメンタルYellow Faselモードの持つ、ヴィンテージライクで音楽的なミッドレンジトーンを特に評価。
Oz Noyジャズ、フュージョン、ファンクQコントロールの調整幅が広く、ファンキーなカッティングからメロディックなソロまで、繊細なトーン作りを可能にするため。
Nuno Bettencourtハードロック (Extreme)堅牢な作りと、ブースト機能による音圧増加が、アリーナクラスのライブ環境で安定したパフォーマンスを支える。
Dweezil Zappaロック、実験音楽デュアル・インダクターによる幅広い音色バリエーションが、彼の多様な音楽スタイルに対応。
Richie Faulknerヘヴィメタル (Judas Priest)ハイゲインアンプでの使用時に、Red Faselがタイトで抜けの良いワウ効果を提供するため。
Chris Buckブルース・ロック彼の追求するヴィンテージ・フィールと、現代的なノイズレス設計のバランスが取れている点を評価。
Andy Timmonsインストゥルメンタル、ロック高品質なバッファードバイパスが、彼の複雑なペダルチェーンにおける音質維持に貢献。
Tom Quayleフュージョン、インストゥルメンタルQとブーストの微細な調整機能が、フュージョンのクリーン~クランチトーンでの表現力を深めるため。
Kirk Fletcherブルース、ソウルYellow Faselモードの温かみと、バッファードバイパスによる信号の安定性を信頼。

ライバル機との徹底比較分析

vs VOX V847/V845:伝統との比較

項目MXR MC404 CAE WahVOX V847/V845
価格帯高価格帯入門/中価格帯
インダクター2種類(切替式)1種類
バイパスハンドワイアード・バイパストゥルーバイパス(V847)
トーン制御Q & ブーストノブありなし
ノイズ耐性非常に高い標準的
特徴多機能、プロ仕様、モダンクラシック、シンプル、ヴィンテージ

V847はワウの古典ですが、MC404は、音色の柔軟性、ノイズ耐性、機能性において、現代のステージやスタジオ環境に最適化された完全な上位互換機と言えます。

vs Jim Dunlop Cry Baby 535Q:多機能ワウの王者対決

項目MXR MC404 CAE WahJim Dunlop 535Q
インダクター2種類(Yellow/Red Fasel)1種類(ダイアルによる周波数帯域選択あり)
ブースト+20dB(可変)+15dB(可変)
Qコントロール内部ノブ(連続可変)側面ノブ(連続可変)
機能差デュアル・インダクター切り替え周波数帯域切替スイッチ(6ポジション)

535Qも多機能ワウの定番ですが、MC404は「インダクターそのものの特性」という、ワウの根幹を変えることで音色を決定づける点で異なります。ヴィンテージのコアトーンにこだわりたいならMC404に軍配が上がります。

vs Xotic Wah:ブティック・ワウとの対決

項目MXR MC404 CAE WahXotic Wah
インダクター2種類(Yellow/Red Fasel)1種類(内部DIPスイッチで微調整可)
その他ブースト、QコントロールEQ+内部DIPスイッチによる細かな設定
特徴ライブ/スタジオでの即応性徹底的なカスタムトーン追求

Xotic Wahは、内部のDIPスイッチで細部までトーンを追い込める点が魅力ですが、MC404は演奏中にキックスイッチで音色を切り替えられるという、ライブでの即応性という点で優位に立っています。

まとめ:ワウ・ペダルにおける悩みや妥協との戦いを終わらせる

MXR MC404 CAE Wahは、間違いなくワウペダルというジャンルのマスターピースです。

デュアル・インダクターによるトーンの多層性。Qコントロールとブーストノブによる緻密な音色形成。そしてCAEによるプロフェッショナルな信号の整合性。
ヴィンテージワウの温もりと、現代ハイゲインアンプに対応するワイドレンジな切れ味という、相反する要素を一つの筐体に完璧にパッケージングするという偉業を成し遂げてくれたのです!

特に、ライブやツアーでの演奏機会が多いギタリストには、現状最適なアンサーのひとつではないでしょうか?
この一台が、ワウ・ペダルにおける悩みや妥協との戦いを終わらせることになる可能性大ですよ!

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