
心地よさを優先したナチュラル系のコンプレッサーをお探しなら、絶対に無視できない存在なのが、このKeeley「Compressor Plus」です。
まばらなピッキングの強弱が美しく整えられ、意図した音価まで違和感なくサステインが伸びていく。音を力ずくで圧縮するエフェクトではなく、ギターという楽器のポテンシャルを120%引き出す「トリートメント」的な役割りが大の十八番の名作コンプ!
ロバート・キーリー率いるKeeley Electronics。ハンドメイド・エフェクター界のレジェンドが、前作の名機「C4」の開発など20年以上にわたって磨き上げてきたコンプレッサーの技術を、現代のプレイヤーのために最適化した決定版。それがこの「Compressor Plus」です。
「ダイナミクスを揃えたいが、ピッキングの表情は失いたくない」
そんなジレンマを一発で解決してくれる、懐の深さと頼もしさの秘密を解析してみましょう!
使用レビュー:マスタリングを施したような、極上のトリートメント感
「まるで腕利きのエンジニアが丁寧にマスタリングを施したかのような、極上のトリートメント感。」
Keeley Compressor Plusを一言で表すなら、これに尽きます。
かつての伝説、C4 Compressorをさらにブラッシュアップしたこのペダルは、バラバラだった音の粒子が魔法のように整列し、プロのレコードで聴ける「あの艶やかな質感」へと昇華してくれます。
強力なのが新たに追加された「Blend」と「Tone」ノブ。原音の芯を残しながら、コンプ特有のシルキーな膜を纏わせる。その絶妙な匙加減が、指先のニュアンスを殺さず、音楽的な奥行きだけを深めてくれるのです。一度この「音のトリートメント」を体験してしまえば、もうオフにすることはできないでしょう。
伝説の「Ross系」を現代的に昇華させた完璧な回路
Keeleyの名を世界に轟かせたのは、ヴィンテージのRoss Compressorをベースにした改造と自社生産でした。
Compressor Plusは、その伝説的な回路を継承しつつ、現代のスタジオクオリティの低ノイズ設計を実現しています。 アナログ回路特有の温かみと、ハイエンドオーディオのような透明感。この相反する要素が高い次元で共存していることが、Keeleyが「コンプレッサーの帝王」と呼ばれる最大の理由です。
「Single Coil / Humbacker」切り替えスイッチの恩恵
これこそが、Plusモデル最大のインパクトです。これまでのコンプレッサーは、ギターを持ち替えるたびにアタックやリリースの微調整が必要でした。 しかし、このスイッチ一つで解決します。
- Single Coilモード: シングル特有のダイナミクスを活かしつつ、適切なリリースを設定。
- Humbackerモード: 出力の高いピックアップでも音が潰れすぎず、明瞭なアタックを維持。
このクイックな操作性が、ライブ現場でのストレスを劇的に軽減します。
「Blend」コントロールによる原音との黄金比
現代のコンプレッサーに欠かせない「パラレル・コンプレッション」機能を搭載。
コンプレッションを深くかけてサステインを稼ぎつつ、そこに「Blend」ノブで原音(ドライ音)を混ぜ合わせることで、アタックの芯を失わずに密度の濃いサウンドが作れます。ピッキングのニュアンスを殺したくないギタリストにとって、これは救世主のような機能です。
圧倒的なロング・サステインとクリーミーな質感
Sustainノブを上げていくと、音がどこまでも伸びていくような感覚に陥ります。
そして、その減衰の仕方の美しさはクラストップクラス。不自然にパッと音が消えるのではなく、ゆっくりと、有機的に音が消えていく様は、まさに高品質なアナログコンポーネントの証です。 クリーンでのカッティングはもちろん、歪みペダルの前段に置くことで、リードプレイに圧倒的な歌心を与えてくれます。
Toneコントロールによる絶妙な輝きの調整
コンプレッサーをかけると、高域が少し削れて「こもった音」になりがちですが、Plusには専用のToneノブが備わっています。 これは単なる高域カット/ブーストではなく、コンプレッションによって失われがちな「きらめき」を取り戻すための設計。12時を基準に少し上げるだけで、音がパッと前に出てくるプレゼンス成分を付加できます。
驚異的な低ノイズ性能とゆとりあるヘッドルーム
かつてのコンプレッサーは、サステインを上げると「サー」というノイズが乗るのが当たり前でした。しかしKeeleyは違います。
厳選された高精度なパーツを使用することで、驚くほど静かな動作を実現。ハイゲインアンプと組み合わせても、不要なノイズを最小限に抑えながら、音圧だけを底上げすることが可能です。
コンプレッサーの歴史を塗り替えた設計思想
ダイナミクス制御の「正解」を求めて
1970年代、レコーディングスタジオでしか得られなかった「完璧に整えられたギターサウンド」。それを足元で再現しようとしたのがRoss Compressorであり、それを究極まで突き詰めたのがKeeleyでした。
Compressor Plusは、音を平坦にする道具ではありません。演奏者の意図を汲み取り、弱いタッチは優しく持ち上げ、強いピッキングは音楽的に抑え込む。不思議なのですが、まるで「熟練のエンジニアがリアルタイムでフェーダーを操作している」かのような挙動を見せます。
「エフェクト」ではなく「プリアンプ」としての役割
多くのプロギタリストは、Keeley Compressor Plusを「常時オン」にしています。 それは、このペダルを通すだけで音が「太く、艶やか」になるからです。
バッファ的な役割、あるいは音に深みを与えるプリアンプ的な役割として機能しており、もはやこれがないと自分の音が出せない、という中毒性を持っています。これだけでもサウンドの格が上がりますよ。
多彩な楽器への対応力
ギターだけでなく、ベース、あるいはエレアコ。Compressor Plusはその素直な特性ゆえに、あらゆる弦楽器に対応します。 特にベースにおいて「Single Coil / Humbacker」スイッチは、パッシブベースとアクティブベースの使い分けに非常に有効。低域のパンチを損なうことなく、さりげなく音の輪郭を際立たせます。
詳細スペック&ビジュアルインプレッション
基本仕様
| 項目 | 詳細 |
| 製品名 | Keeley Compressor Plus |
| タイプ | アナログ・コンプレッサー(Ross系進化型) |
| 電源 | 9V DC(センターマイナス)/ 9V電池 |
| 寸法 | 約112mm × 60mm × 31mm |
| 重量 | 約220g |
| 製造国 | アメリカ(オクラホマ州) |
| 参考価格 | ¥26,000前後 |
機能美に溢れたデザイン
深いカーボンブラックに塗装された筐体は、光を受けると漆黒が美しく輝き、ボードの中でも圧倒的な存在感を放ちますね。
4つのノブ(Sustain, Level, Blend, Tone)は視認性が高く、ライブハウスの暗いステージでも現在の設定が一目で把握可能。Blendノブのみホワイト色なのもセンス抜群!
中央のミニトグルスイッチは、操作ミスを防ぐ絶妙な位置に配置されており、確実なクリック感が指先に伝わります。青色の高輝度LEDは、エフェクトのオン/オフを鮮烈に知らせ、視覚的な満足度も極めて高い仕上がりです。
ジャンル別完全攻略セッティング集
ファンク/ポップス:パーカッシブなカッティング
- Sustain: 9時
- Level: 12時
- Blend: 3時
- Tone: 2時
- Switch: Single Coil
「チャカポコ」という小気味よいカッティングサウンドを作る設定。Blendで原音を混ぜることで、アタックの「パキッ」とした質感を残しつつ、音の粒立ちを完璧に揃えます。Toneを上げることで、ブラッシングの音がより鮮明になります。
カントリー:チキン・ピッキングと透明感
- Sustain: 12時
- Level: 1時
- Blend: 最大(100% Comp)
- Tone: 1時
- Switch: Single Coil
ナッシュビルサウンドの真髄。クリーンなトーンに深いコンプレッションをかけ、独特の「コンプ感」を演出します。テレキャスターのリアピックアップとの相性は最高で、音が弾けるような感覚を味わえます。
ロック/リード:歌うようなロングサステイン
- Sustain: 3時
- Level: 11時
- Blend: 1時
- Tone: 12時
- Switch: Humbacker
ソロパートで音を太く、長く伸ばしたい時の設定。オーバードライブの後段に置けば音量を、前段に置けば歪みの密度とサステインを稼げます。Blendを少し下げることで、ピッキングの食いつきを維持するのがコツです。
ネオ・ソウル/ジャズ:ウォームなコードワーク
- Sustain: 10時
- Level: 12時
- Blend: 11時
- Tone: 10時
- Switch: Humbacker
コードの各弦のバランスを整え、滑らかでシルキーな質感を与えます。Toneを少し絞ることで、ヴィンテージ風の落ち着いたトーンを演出。複雑なテンションコードも、音がバラけることなく美しく響きます。
知人プロが語る:Keeley Compressor Plusとの出会い
スタジオミュージシャン S氏の証言
「現場に一つだけ持っていくペダルを選べと言われたら、間違いなくこれだね〜。
何がいいって、とにかく『音が破綻しない』こと。どんなに深くかけても音楽的な響きが失われないんですよ。特にBlendノブのおかげで、スタジオのラージコンプでしかできなかったような繊細な音作りが足元で完結する。クライアントから『もっと音を前に出して』と言われた時、これを少し踏むだけで一発解決ですよ。」
ツアーギタリスト T氏の体験談
「以前は他社の有名なコンプを使ってたんだけど、ハムバッカーのギターに変えると音が詰まってしまうのが悩みだった。
Keeley Plusのスイッチを『Humbacker』にした瞬間、その悩みが吹き飛んだ。低域がボワつかず、でもしっかりコンプは効いている。あのスイッチは神だよ。あと、ノイズがとにかく少ないから、静かなバラードの曲でもビビらず安心して踏み込めるのが最大の信頼ポイントだよ。」
Keeley Compressor Plus(およびC4)、主な使用アーティスト
Keeley Compressor(Plus、および前モデルのC4)は、コンプレッサー界の金字塔であり、数多くのトッププロが愛用しています。特に「常時オン」にして音のトリートメントとして使用するアーティストが多いのが特徴です。
John Mayer(ジョン・メイヤー)
現代のギターアイコンである彼は、長年Keeley Compressor(特に初期の4-knob:C4モデル)を愛用してきたのが、彼のテックであるRene Martinezへのインタビューや、数々のライブボード写真で確認されています。
特に『Continuum』期のクリーンで艶のあるトーンの要として知られています。
Ariel Posen(アリエル・ポーゼン)
「スライドギターの若き巨匠」として知られる彼は、Compressor Plusを自身のトーンの核心に据えています。
自身のYouTubeチャンネルや、機材紹介サイト「Equipboard」、また『That Pedal Show』出演時にもCompressor Plusを「常にオンにしているペダル」として紹介しています。
Cory Wong(コリー・ウォン)
Vulfpeckのギタリストであり、現代ファンクの象徴。彼はパーカッシブなカッティングを作るためにKeeley Compressor Plusを使用します。
Adrian Belew(エイドリアン・ブリュー)
King CrimsonやDavid Bowieの活動で知られる鬼才。
Keeley Electronicsの公式サイトにて、長年のユーザーとしてリストアップされています。実験的なサウンドの土台にKeeleyの安定したコンプレッションを置いています。
Peter Frampton(ピーター・フランプトン)
伝説的なロックギタリスト。
彼のライブ・リグ(ラックおよびボード)にKeeley 4-knob Compressor(C4)が組み込まれているのが、専門誌の機材紹介で何度も掲載されています。
Dan Auerbach(ダン・オーバック / The Black Keys)
ヴィンテージ・トーンにこだわる彼もKeeleyの愛用者です。
ライブ機材のクローズアップ写真や、ギター機材データベースサイトにて確認されています。
ライバル機との徹底比較分析
vs BOSS CP-1X:デジタル vs アナログ
| 項目 | Keeley Compressor Plus | BOSS CP-1X |
| 回路 | アナログ | デジタル (MDP技術) |
| 操作感 | 直感的・ウォーム | 多機能・超 Hi-Fi |
| キャラクタ | 音楽的な自然な色付けがほんのり | どこまでも透明 |
| 特徴 | Blendによる自然な質感 | 帯域ごとに圧縮を最適化 |
CP-1Xはオーディオ数値的に完璧な優等生を目指していますが、Keeleyは「ギタリストが心地よいと感じる歪みや倍音」を付加してくれます。楽器としての「味」を求めるならKeeley一択です。
vs Strymon Compadre:多機能 vs シンプル
| 項目 | Keeley Compressor Plus | Strymon Compadre |
| 機能 | コンプレッサー特化 | コンプ + ブースト |
| 価格 | ¥26,000前後 | ¥50,000前後 |
| サイズ | コンパクト | やや大型 |
| 用途 | あらゆるボードに馴染む | ボードの中核を担う |
Compadreは素晴らしい多機能機ですが、Keeleyは「コンプレッサーに何を求めるか」という問いに対して、最小のサイズで最大の答えを出しています。
まとめ:「究極の隠し味」であり、唯一無二の土台
Keeley Compressor Plusを足元に置くということは、あなたのサウンドに「雑味を一切排除した、豊潤な出汁の旨味」を加えるようなものです。
過度な主張で素材(ギター本来の音)を殺すのではなく、不要なピークというアクを丁寧に掬い取り、音の芯にある甘みと深みを極限まで引き出す。この「トリートメント感」こそが、多くのプロが手放せない理由です。
楽曲に吸い付くようなサステインと、一音一音が艶やかに自立するそのトーンは、まさに丁寧にマスタリングされた音源そのもの。C4をさらにブラッシュアップし、透明感と音楽的な温もりを両立させたこの一台は、あなたの音楽という料理を完成させる「究極の隠し味」であり、唯一無二の土台となるでしょう。
これ一台で、カッティングは鋭く、リードは伸びやかに、コードワークは美しく整います。プロが何年もかけて習得する「ダイナミクスのコントロール」を、巨匠たちが愛したこの漆黒の1台が強力にバックアップしてくれるのです。




