
リハーサルスタジオで初めてその音を聞いた瞬間、鳥肌がたった...
「なんだ、この艶やかな歪みは…」
BOGNER Ecstasy 101Bが奏でるサウンドは、これまで体験したどのハイゲインアンプとも異なっていました。ドイツの精密工学とロックンロールの情熱が化学反応を起こした、まさに「音の錬金術」。荒々しいだけのメタルサウンドではなく、聴く者の心を鷲掴みにする「官能的な歪み」でした。
30年以上にわたってハイゲインアンプの最高峰に君臨し続けるBOGNER Ecstasyシリーズ。その官能的なトーンをペダル化するという、まさに不可能を可能にした驚異の結晶—それがBOGNER Ecstasy Red(Pedal)です。
⚠️ 入手困難な現状と将来価値への考察
BOGNER Ecstasy Redは生産終了となり、現在は市場での入手が極めて困難な状況となっています。
入手困難な理由
- 限定生産による希少性:もともと大量生産されていない製品のため、市場流通量が限定的
- 根強い人気による品薄状態:プロミュージシャンからアマチュアまで幅広い層からの需要
- コレクター需要の高まり:BOGNERブランドの歴史的価値とペダル自体の完成度の高さ
中古プレミアム価格の現状
もともとの実勢売価¥48,000〜58,000に対し、現在の中古市場では以下の価格帯で取引されています:
- 通常中古品:¥75,000〜¥95,000
- 美品中古品:¥100,000〜¥280,000
将来的な資産価値
BOGNERブランドの特性と市場動向を分析すると、Ecstasy Redの資産価値は今後さらに向上する可能性が高いと考えられます:
上昇要因:
- ドイツ製ハイエンドブランドとしての確立された地位
- 限定生産による絶対数の少なさ
- 音質面での他製品との明確な差別化
- プロミュージシャンの継続的な使用による知名度維持
- ヴィンテージエフェクター市場の拡大トレンド
予想価格推移:数年後〜数十年後にはケンタのように100万円近い値がついている可能性も!?程度の良い個体を見つけたらすぐにゲットしておくのが良いかもしれません!
実機レビュー:Ecstasy Redが他を圧倒する7つの核心
1. 30年の歴史が生んだ究極のゲインアーキテクチャ
1992年にラインハルト・ボグナーが世界に衝撃を与えたEcstasy アンプ。その設計思想を現代技術で昇華させたのがEcstasy Redです。単なる「アンプをマネしたペダル」ではありません。アンプ製造で培った回路設計のDNAそのものがペダルサイズに凝縮されているのです。
ヴィンテージの温かみとモダンの精密さが絶妙にブレンドされた、まさに「時代を超越したゲインペダル」といえるでしょう。
2. 革命的なクラスA5段階増幅回路
一般的なペダルが採用する「お手軽なオペアンプ増幅」を完全に排除。5つの独立したクラスA増幅段を直列接続することで、真空管アンプと見紛うような滑らかで音楽的なゲインカーブを実現しています。
この贅沢な回路構成により、「ペダルっぽさ」を微塵も感じさせない、極めて有機的なサウンドレスポンスが得られるのです。
3. 感動的なタッチレスポンス
ギターの弦に触れた瞬間から音が消える最後まで、すべてが意のまま。ピッキングの強弱、ギターボリュームの上げ下げに対する反応は、まさに高級アンプそのもの。デジタル的な硬さや人工的な圧縮感は皆無です。
「楽器と一体になる」という表現がこれほど相応しいペダルは、他に類を見ません。
逆に、真空管アンプを大きな音で弾いたことが無い人がこのペダルを触ると、一般的な歪みペダルとの挙動の違いにビックリすると思います(笑)
4. 4つのスイッチが生み出す無限の可能性
- Variac スイッチ:電圧降下によるヴィンテージコンプレッション
- Structure スイッチ:Ecstasy 100/101/20周年記念モデルの3つの個性
- Pre EQ スイッチ:入力信号の周波数特性を3段階で調整
- モード:伝説のマーシャル・プレキシサウンドも完全再現
これらの組み合わせにより、一台で数台分のアンプを所有したかのような音作りの幅広さを実現しています。
5. プロスタジオクオリティの静粛性
ハイゲインペダルにつきもののノイズ問題を根本的に解決。どんなにゲインを上げても、まるで高級スタジオの防音室にいるかのような静寂性。この清浄なS/N比は、プロのレコーディング環境でも一切妥協のないパフォーマンスを保証します。
6. ブーストモードによる二段構えの戦略
通常モードとブーストモードを独立して設定可能。リズムとリードを瞬時に切り替えたり、楽曲のサビで一気に存在感を増すなど、ライブでの戦術的な音作りが自在に行えます。
7. 他では絶対に得られないボグナー・マジック
30年以上の歳月をかけて築き上げられたボグナー独自の「音楽的歪み」。これは技術的なスペックだけでは説明できない、まさに「職人の魂」が宿ったサウンドです。特に中音域のキャラクターに特徴があり、この官能的な歪みは、ボグナーでしか表現できません。
ドイツ工芸の粋を集めた設計哲学
ボグナー哲学:「情熱的でありながら精密であれ」
ボグナーサウンドの本質は、一見相反する要素の完璧な調和にあります。燃えるような情熱と冷徹なまでの精密性、荒々しいパワーと繊細な表現力—これらが高次元で融合した時、真の「Ecstasy(陶酔)」が生まれるのです。
アナログ回路への頑固なこだわり
デジタル技術が主流となった現代でも、ボグナーはアナログ回路の優位性を信じて疑いません。Ecstasy Redの内部に使用される電子部品は、音質に妥協を許さない厳選されたものばかり。この頑固なまでのアナログ信仰が、他では得られない有機的なサウンドを生み出すのです。
技術仕様&外観インプレッション

詳細スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
製品名 | BOGNER Ecstasy Red |
回路方式 | フルアナログ/クラスA増幅×5段 |
電源 | DC9V(センターマイナス) |
消費電力 | 約85mA |
入力インピーダンス | 1MΩ |
出力インピーダンス | 1kΩ |
外形寸法 | 146×121×57mm |
重量 | 約680g |
生産国 | ドイツ |
定価 | ¥48,000〜58,000 |
現在の市場価格 | ¥65,000〜¥280,000(中古) |
外観デザイン:機能性と美しさの両立
Ecstasy Redの筐体は、単なる「頑丈な箱」ではありません。ドイツ工業デザインの伝統を受け継いだ、機能美の極致です。頑丈で軽いの筐体に映える深紅のカラー、計算し尽くされたコントロール配置—すべてが長時間の使用を前提とした人間工学的設計に基づいています。
重量感のある筐体は、内部の複雑な回路を外部ノイズから完全に遮蔽。堅牢なフットスイッチは数万回の踏み込みにも耐える耐久性を誇ります。
音質解析&レビュー:科学的視点から見る圧倒的性能
低音域:Structure切替による3つの顔
Ecstasy Redの低音特性は、Structureスイッチの設定によって劇的に変化します。
- Ecstasy 100モード:現代的でタイトな低音。メタルやプログレッシブロックに最適
- Ecstasy 101モード:豊かで温かみのある低音。クラシックロックやブルースに最適
- 20周年記念モード:ヴィンテージ的な太い低音。70年代ロックの再現に最適
中音域:官能的歪みの秘密
「官能的」と形容されるボグナーサウンドの核心は、この中音域処理にあります。単純な周波数特性では表現できない、複雑で音楽的な倍音構造を持つ中域—これがEcstasy Redの最大の魅力です。
特に1kHz〜3kHzの帯域で生み出される「歌うような倍音」「高密度なジューシーさ」は、聴く者の感情に直接訴えかける力を持っています。
高音域:シルキーでありながら鋭利
一般的なハイゲインペダルにありがちな「耳に刺さる高音」を完全に排除。どんなに設定を上げても音楽的な美しさを保つ高音特性は、ボグナーの設計思想の結晶です。
ジャンル別セッティングガイド
ヴィンテージロック:レッド・ツェッペリン風
- Volume: 9時
- Gain: 8時
- Bass: 1時
- Middle: 2時
- Treble: 11時
- Variac: ON
- Structure: 20th
- Pre EQ: B1
- Mode: full
温かみのあるヴィンテージトーン。Variaccをオンにすることで、古いアンプ特有のコンプレッション感が得られます。
クラシックハードロック:ヴァン・ヘイレン系
- Volume: 11時
- Gain: 11時
- Bass: 12時
- Middle: 1時
- Treble: 1時
- Variac: OFF
- Structure: 101
- Pre EQ: N
- tight: OFF
80年代ハードロックの王道サウンド。パワフルでありながら音楽的なトーンが特徴です。
モダンメタル:プログレッシブ系
- Volume: 12時
- Gain: 2時
- Bass: 9時
- Middle: 12時
- Treble: 2時
- Variac: OFF
- Structure: 100
- Pre EQ: B2
- Mode: tight
タイトで現代的なメタルサウンド。複雑な楽曲構成でもノートの分離が保たれます。
ブルースロック:ゲイリー・ムーア風
- Volume: 8時
- Gain: 7時
- Bass: 2時
- Middle: 3時
- Treble: 10時
- Variac: ON
- Structure: 20th
- Pre EQ: B1
- Mode: mellow
感情豊かなブルースサウンド。中域を厚くすることで、泣きのトーンを実現します。
フュージョン:ラリー・カールトン系
- Volume: 10時
- Gain: 6時
- Bass: 11時
- Middle: 11時
- Treble: 12時
- Variac: OFF
- Structure: 101
- Pre EQ: N
- Mode: full
洗練されたジャズロック風味。クリーンに近い設定でも豊かな倍音が得られます。
オルタナティブ:90年代グランジ
- Volume: 1時
- Gain: 1時
- Bass: 2時
- Middle: 10時
- Treble: 11時
- Variac: OFF
- Structure: 101
- Pre EQ: N
- Mode: full
90年代特有の重く暗い質感。中域を抑えることで、時代感のあるサウンドを再現。
ミュージシャン座談会:Ecstasy Redの真価
スタジオミュージシャン H氏(アニソン・ゲーム音楽)
「アニメやゲームの楽曲って、実はものすごく音作りが難しいんです。激しいロック調の楽曲でも、他の楽器や歌声を邪魔しない繊細さが求められる。Ecstasy Redは、その両立を可能にしてくれる数少ないペダルです。
特に印象的なのは、どんなにゲインを上げても『音楽的』であること。サウンドが前に出すぎることなく、アンサンブル全体に溶け込む絶妙なバランス感覚は、他のペダルでは体験できません」
プロデューサー T氏(ロック・メタル専門)
「レコーディングで一番困るのは、『ペダルっぽい音』なんですよ。どんなに良いペダルでも、よく聞くと『ああ、これはペダルの音だな』って分かってしまう。でもEcstasy Redは違います。本当にEcstasyアンプを録音したのと区別がつかない。
ミックスやマスタリングの際にも、他の楽器との分離も良いし、全体のサウンドを濁すことがない。これは全体を馴染ませるうえで非常に重要な要素です」
競合製品との詳細比較
vs MESA BOOGIE Flux-Drive
比較項目 | BOGNER Ecstasy Red | MESA BOOGIE Flux-Drive |
---|---|---|
価格帯 | ¥65,000〜¥280,000(現在) | ¥38,000前後 |
音色的方向性 | ヨーロピアン・エレガント | アメリカン・アグレッシブ |
コントロール | 5ノブ+4スイッチ | 5ノブ+1スイッチ |
特徴 | EcstasyアンプのREDチャンネル再現 | 5バンドグラフィックEQ |
両者ともハイエンドペダルですが、Ecstasy Redは「エレガントなヨーロピアンサウンド」、Flux-Driveは「アグレッシブなアメリカンサウンド」という対照的な個性を持ちます。
vs REVV G4
比較項目 | BOGNER Ecstasy Red | REVV G4 |
---|---|---|
ターゲット | オールラウンド | モダンメタル特化 |
音質傾向 | 有機的・音楽的 | デジタライク・精密 |
操作性 | 多機能・複雑 | シンプル・直感的 |
価格 | ¥65,000〜¥280,000(現在) | ¥42,000前後 |
REVV G4は現代メタルには最適化されていますが、Ecstasy Redはより幅広いジャンルをカバーします。
vs WAMPLER Sovereign Distortion
比較項目 | BOGNER Ecstasy Red | WAMPLER Sovereign |
---|---|---|
ブランド背景 | アンプメーカー直系 | ペダル専業メーカー |
音質 | アンプライク | ペダルライク(高品質) |
価格 | ¥65,000〜¥280,000(現在) | ¥26,000前後 |
汎用性 | 極めて高い | 高い |
Wamplerも優秀ですが、「本物のアンプサウンド」という点でEcstasy Redに軍配が上がります。
購入検討時の重要チェックポイント
1. 電源環境の確認
消費電流が85mAと多めなため、安定した電源供給が必須。特に他のペダルと併用する場合、パワーサプライの容量を確認してください。
2. 使用環境に応じた設定の習得
9つのコントロールは豊富な表現力を提供しますが、使いこなすには時間が必要。購入前に設定例を研究しておくことをお勧めします。
3. アンプとの相性チェック
クリーン設定が可能なアンプとの組み合わせが最適。既にゲインの高いアンプと組み合わせる場合は、アンプ側の設定調整が必要です。
4. 将来的な拡張性
他のペダルとの組み合わせを前提とする場合、信号ルーティングやループスイッチャーの導入も検討してください。
5. 投資価値の検討
現在のプレミアム価格を考慮し、純粋な楽器としての価値と投資価値の両面から検討することをお勧めします。
長期使用レポート:6年間使い込んでわかったこと
耐久性について
毎日のように使用して6年経過しましたが、音質の劣化は一切なし。ポット類のガリも発生せず、作りの堅牢さを実感しています。
音質の変化
使い込むにつれて、音に若干の「枯れ」が出てきた気がします。これはエイジング現象で、より音楽的で心地の良いサウンドへと進化していくのを感じます。
設定の発見
最初は複雑に感じた9つのコントロールも、使い込むうちに直感的に操作できるように。特に各スイッチの組み合わせによる音色変化は、まだまだ新しい発見があります。特に宅録の際、音作りの追い込みに重宝しています。
まとめ:音楽的感動を享受できる投資
BOGNER Ecstasy Redは、「音楽的感動を生み出すためのツール」であり、あなたの創造性を無限に広げる可能性を秘めています。実機アンプのエクスタシーはなかなか手が出ないと思いますが、このペダルでその質感は十分に享受できます。
現在の市場価格は決して安くありません。しかし、この投資がもたらす音楽的な恩恵を考えれば、むしろ妥当な価値といえるでしょう:
- 創作意欲の劇的向上:感動的なサウンドは感動的な楽曲を生み出します
- 技術向上への道筋:正確で美しい音は、正確で美しい演奏技術を育みます
- プロレベルの音質:どんな環境でも一切妥協のないサウンドを提供
- 資産価値の維持・向上:ボグナーブランドの価値は今後も安定的に継続、むしろ上昇が期待できます
- 希少性による満足感:所有する喜びと他では得られない音楽体験
30年以上にわたって世界中のプロミュージシャンを魅了し続けてきたEcstasyサウンド。その神髄を手のひらサイズに凝縮したEcstasy Redは、きっとあなたの音楽人生に新たな章を刻むことでしょう。
※現在の入手困難な状況を考慮すると、良質な個体に出会えた時が購入のチャンスです
投資判断のポイント
音楽的価値を最優先に考える方へ: 現在の価格でも、得られる音楽的体験を考えれば十分に価値のある投資です。
資産価値も重視する方へ: 希少性と品質を考慮すると、今後さらなる価値上昇が期待できる有望な選択肢です。
予算を重視する方へ: 価格が下がる可能性は低いため、他の選択肢も検討することをお勧めします。しかし、一度この音を体験してしまうと、他では満足できなくなる可能性もあります。