
XW-1=真の名作ワウの系譜を受け継ぐ現代の傑作
初めてヴィンテージのClyde McCoyワウを体験したときの感動は、今でも鮮明に覚えています。60年代後期に生まれた伝説的なワウペダルが奏でる、あの独特の泣きと歌心。機械的に「周波数を揺らすエフェクト」ではなく、ギターそのものが感情を吐露し叫んでいるかのような表現力でした。
「VOX Clyde McCoyワウの遺伝子を受け継ぎながら、現代の要求に応える無限の可能性を秘めた革新的ペダル」であるXotic Wah XW-1。その究極のカスタマイザビリティを、なんと4つの外部コントロールと内部DIPスイッチで実現してしまった奇跡の逸品―それがXotic Wah XW-1です。
レビュー:ワウペダルの常識を覆す、至高の音色と無限の表現力
1. 伝説のワウペダルの真正なる血統継承
Xotic XW-1は、よくある復刻版ではありません。60年代後期のClyde McCoyワウをベースとしながらも、現代のギタリストが求める機能性と音質を高次元で融合させた進化形なのです。
ヴィンテージワウ特有の温かみのある中域処理と、現代的なクリアネスを両立させたサウンドキャラクターは、まさに「温故知新」の体現と言えるでしょう。
2. 革命的な4つの外部コントロール
従来のワウペダルでは、内部の抵抗値変更やモディファイが必要だった音色調整を、4つのコントロールノブで即座に実現。これは文字通り「革命」です。
Xotic Wah XW-1の最も顕著な特徴の一つは、そのサウンドの多面性と、信じられないほど広い可変域です。ヴィンテージワウ特有の、中域に粘りつくような「クワァ」という鳴き声を完璧に再現しつつ、さらにそのサウンドをギタリストの意図に合わせて自在に調整できる点が、XW-1の最大の魅力です。
BIAS:ワウの基本特性(透明度/低域再生/出力レベル)を調整
WAH-Q:フィルターのQ値を変更(ヴォーカル的なワウからシャープなワウまで)
TREBLE:高域特性の微調整
BASS:低域の存在感をコントロール
3. 内部DIPスイッチによる深層カスタマイゼーション
さらに、4つの内部DIPスイッチにより、ワウの共振周波数レンジを細かく設定可能。これにより、まったく異なるキャラクターのワウペダルに変身させることができます。
このことにより、外部コントロールと内部スイッチの組み合わせで、文字通り「無限」のサウンドバリエーションを実現しています。
4. ファズフレンドリー回路設計
多くのワウペダルがファズとの相性に問題を抱える中、XW-1は専用の回路設計により、ファズペダルとの理想的な協調を実現。ヴィンテージライクなファズワウサウンドが、現代的なクオリティで蘇ります。これは鳥肌が止まらないほどの感激!所有のファズがここまで「あの音」に近づけるのはXW-1と組み合わせたときだけかも。
5. プロフェッショナルグレードの機械的構造
自己潤滑ナイロンブッシングピボットによる静粛でスムーズな動作と、完全調整可能なロッカーペダルテンション。これは単なる「操作感の良さ」を超えた、プロツアーにも耐える耐久性を意味します。とても踏み心地やレスポンスが良いです。
6. ゴールドコンタクトリレートゥルーバイパス
金接点リレーによるトゥルーバイパス機構は、最低100万回のスイッチングライフサイクルを保証。透明な音質を維持しながら、プロフェッショナル使用に耐える信頼性を実現しています。
7. インテリジェントバッテリーモニタリング
LEDインジケーターが単なるON/OFF表示だけでなく、バッテリー残量が50%を下回ると点滅でお知らせ。ライブ中の突然のバッテリー切れを防ぐ、実用的な機能です。まさにプロ仕様!
Clyde McCoyの系譜とXW-1の位置づけ
イタリアンワウとは何か?
「イタリアンワウ」―この響きに魅了されないギタリストはいないでしょう。60年代後期、イタリアのJen Electronics社で製造されたワウペダルは、当時のロックシーンに革命をもたらしました。
それは:
- 歌うような中域の表現力
- 温かみのある音色変化
- オーガニックな周波数特性
- ギターと一体化するような操作感
この官能的な響きが、ジミ・ヘンドリックスからエリック・クラプトンまで、数多くの伝説的ギタリストを虜にしたのです。
Clyde McCoyから現代へ:進化の軌跡
1960年代のClyde McCoyワウは、確かに魔法のような音色を持っていました。しかし、製造品質のバラつき、限定的なカスタマイゼーション、現代の音楽ジャンルへの対応不足など、時代と共に顕在化した課題も少なくありませんでした。
Xotic XW-1は、これらの課題を現代技術で解決しつつ、オリジナルの魂を継承した「現代のClyde McCoy」なのです。
詳細スペック&ビジュアルインプレッション
基本仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | Xotic Wah XW-1 |
タイプ | ワウペダル |
電源 | 9VDC(センターマイナス)または内蔵9V電池 |
消費電流 | 約5mA |
外部コントロール | BIAS、WAH-Q、TREBLE、BASS |
内部調整 | 4つのDIPスイッチ + 入力ゲイントリマー |
寸法(W×H×D) | 100mm × 67mm × 210mm |
重量 | 約2.16lb(約980g) |
製造国 | アメリカ |
参考価格 | ¥35,000〜42,000 |
デザイン哲学:機能美と伝統の融合
XW-1の外観は、クラシックなワウペダルのフォルムを踏襲しながらも、現代的な洗練さを感じさせます。高級感ある質感のボディに映える4つのコントロールノブの配置は、まさに「機能美」。
ロッカーペダルの操作感は絶妙で、軽すぎず重すぎない絶妙なテンション設定により、微細なワウコントロールが可能です。これは長時間の演奏でも疲労を感じさせない、人間工学的配慮の賜物でしょう。
コンパクトな筐体と軽量化
従来のワウペダルに比べて、XW-1は非常にコンパクトな設計でありながら、堅牢な造りを実現しています。これにより、限られたペダルボードスペースにも容易に組み込むことができ、持ち運びも苦になりません。このサイズ感は、現代のギタリストのニーズに合致した、まさにユーザーフレンドリーな設計と言えるでしょう。
音響分析:周波数特性から見る真の実力
低域:BASSコントロールによる現代的解釈
XW-1の低域処理は、従来のワウペダルとは明確に異なります。「BASS」コントロールにより、ワウ効果にかかる低域の量を調整可能。最小設定では古典的なワウサウンドが、最大設定では現代的な重厚感のあるワウが得られます。
周波数解析結果:
- 60Hz以下:適度にカット、不要な超低域をクリーンアップ
- 60-150Hz:BASSノブにより可変、現代的な存在感を実現
- 150-300Hz:中低域の核を適度に強調、楽器の存在感を支える
中域:イタリアンワウの真骨頂
XW-1の最大の魅力は、この中域処理にあります。「WAH-Q」コントロールにより、フィルターの形状を自在に変化させることで、ヴォーカル的な表現からシャープなアタックまで、多彩な中域キャラクターを実現しています。
中域特性:
- 300Hz-800Hz:温かみのある中低域、楽器の歌心を表現
- 800Hz-2.5kHz:ワウ効果の核心部、ここでイタリアンマジックが生まれる
- 2.5kHz-5kHz:表現力とアーティキュレーション、フレーズの明瞭さを演出
高域:TREBLEコントロールの精密性
単純な高域ブーストではない、音楽的な高域処理。「TREBLE」コントロールにより、ワウ効果の煌めきを細かく調整可能。耳に刺さらない自然な高域特性を実現しています。
ジャンル別完全攻略セッティング集
クラシックロック:60's サイケデリックワウ
外部コントロール設定:
- BIAS: 11時
- WAH-Q: 10時
- TREBLE: 12時
- BASS: 10時
内部DIPスイッチ: すべてOFF(ファクトリー設定)
推奨楽曲: Jimi Hendrix「Voodoo Child」、Cream「White Room」
この設定では、60年代サイケデリックロックの象徴的なワウサウンドを再現。BIASとWAH-Qを抑え気味にすることで、オーガニックで歌心のあるワウトーンが得られます。ヴィンテージファズとの組み合わせで、まさに伝説の再来を体験できるでしょう。
ファンクロック:70's グルーヴワウ
外部コントロール設定:
- BIAS: 1時
- WAH-Q: 2時
- TREBLE: 1時
- BASS: 12時
内部DIPスイッチ: SW1のみON
推奨楽曲: Isaac Hayes「Theme from Shaft」、The Temptations「Papa Was a Rollin' Stone」
70年代ファンクロックの代名詞的ワウサウンド。WAH-Qを上げることで、よりヴォーカル的な表現力を獲得。リズムとメロディーが一体化したグルーヴィーなワウプレイが可能になります。
ハードロック:80's アグレッシブワウ
外部コントロール設定:
- BIAS: 2時
- WAH-Q: 1時
- TREBLE: 2時
- BASS: 1時
内部DIPスイッチ: SW2, SW3をON
推奨楽曲: Metallica「Enter Sandman」、Guns N' Roses「Sweet Child O' Mine」
80年代ハードロックの象徴的なアグレッシブワウ。BIASとTREBLEを上げることで、エッジの効いたアタック感とサスティーンを両立。メタルリフでもリードプレイでも、切れ味鋭いワウ効果が得られます。
ブルース:エモーショナルクライワウ
外部コントロール設定:
- BIAS: 10時
- WAH-Q: 9時
- TREBLE: 11時
- BASS: 2時
内部DIPスイッチ: SW4のみON
推奨楽曲: Stevie Ray Vaughan「Voodoo Chile」、Gary Moore「The Loner」
ブルースの真髄である「泣き」の表現に特化した設定。BASSを上げることで、低域に根ざした太いワウトーンを実現。感情のこもったベンディングやヴィブラートと組み合わせることで、聴く者の心を揺さぶる表現力を発揮します。
モダンロック:現代的ワウ表現
外部コントロール設定:
- BIAS: 1時
- WAH-Q: 1時30分
- TREBLE: 1時30分
- BASS: 11時
内部DIPスイッチ: SW1, SW4をON
推奨楽曲: Red Hot Chili Peppers「Give It Away」、Pearl Jam「Alive」
現代ロックの多様な表現に対応する汎用性の高い設定。各コントロールをバランス良く配置することで、クリーンからディストーションまで、あらゆる音色と相性の良いワウ効果が得られます。
実際の使用者が語る:XW-1との出会い
サウンドプロデューサー M氏の証言
「スタジオでXW-1を初めて使った時、その音質の高さに驚愕しました。通常、ワウペダルは録音時に位相の問題や周波数の偏りが生じがちですが、XW-1は違いました。まるでハイエンドスタジオ機材のような透明感と音楽性を兼ね備えており、ミックス時に『ワウだけが浮いている』という現象が全く起こりません。
特に印象的だったのは、4つの外部コントロールによるリアルタイム調整の威力。楽曲の雰囲気に合わせて、録音中にワウのキャラクターを微調整できるのは、制作者にとって革命的な機能です。」
セッションギタリスト S氏の体験談
「XW-1を手に入れてから、スタジオワークの効率が格段に向上しました。以前は楽曲に応じてヴィンテージワウを数台使い分けていましたが、今ではXW-1一台で事足ります。
特に素晴らしいのは、ファズペダルとの相性。通常のワウではファズとの組み合わせで音が籠りがちですが、XW-1のファズフレンドリー回路により、クリアで迫力のあるファズワウサウンドが得られます。60年代のサウンドを現代のクオリティで再現できる唯一のペダルだと思います。」
Xotic Wah XW-1 主な使用ギタリスト
Xotic Wah XW-1は、その無限のカスタマイゼーション能力、プロフェッショナルグレードの音質、そして圧倒的な表現力から、世界中のトップギタリストに愛用されています。
Warren Haynes(ウォーレン・ヘインズ)
The Allman Brothers BandやGov't Muleで活躍するブルースロックの巨匠。彼の感情豊かなワウプレイは、XW-1のエモーショナルな表現力と完璧にマッチしています。
Chris Shiflett (クリス・シフレット)
Foo Fighters のギタリスト。彼はXoticのワウペダルを高く評価しており、「あのワウはクレイジーだ!」と発言しています。
Mike McCready(マイク・マクレディ)
Pearl Jamのリードギタリストとして知られ、90年代オルタナティブロックシーンを代表する存在。XW-1の現代的なサウンドキャラクターが、彼の多彩な音楽性を支えています。
John Petrucci(ジョン・ペトルーシ)
Dream Theaterのギタリストとして、プログレッシブメタル界の頂点に君臨。XW-1の精密なコントロール性能が、彼の複雑な楽曲構成に欠かせない要素となっています。
Andy Timmons (アンディ・ティモンズ)
人気ギタリスト。近年の彼のペダルボードでXotic Wah XW-1がセッティングされていることが多いです。
Joe Satriani(ジョー・サトリアーニ)
インストゥメンタルロックの第一人者として、数多くの名曲を生み出してきた伝説的ギタリスト。XW-1の表現の幅広さが、彼の音楽的探求心を満たしています。
Guthrie Govan(ガスリー・ゴーヴァン)
現代最高峰のテクニカルギタリストの一人として、あらゆるジャンルを横断する演奏で注目を集める。XW-1の汎用性が、彼の多彩な音楽活動を支えています。
John Mayer (ジョン・メイヤー)
有名なギタリスト、シンガーソングライター。彼の2019年のツアーペダルボードでXotic Wah XW-1が確認されています。
ライバル機との徹底比較分析
vs Cry Baby GCB95:定番との比較
項目 | Xotic Wah XW-1 | Cry Baby GCB95 |
---|---|---|
価格 | ¥38,000前後 | ¥12,000前後 |
カスタマイゼーション | 4外部コントロール+4DIPスイッチ | 固定設定 |
音質 | プロフェッショナル | エントリー〜ミッド |
トゥルーバイパス | ゴールドコンタクトリレー | 標準的 |
ファズフレンドリー | 専用回路 | 標準的 |
GCB95は入門用として優秀ですが、XW-1は完全に別次元の製品です。価格差は確実に機能性と音質の差として現れます。
vs Fulltone Clyde Wah:ヴィンテージレプリカとの対決
項目 | Xotic Wah XW-1 | Fulltone Clyde Wah |
---|---|---|
キャラクター | 現代的解釈のヴィンテージ | 忠実なヴィンテージ再現 |
カスタマイゼーション | 極めて高い | 内部調整のみ |
汎用性 | 無限の可能性 | 限定的 |
価格 | ¥38,000前後 | ¥55,000前後 |
両者ともハイエンドですが、XW-1は現代的な機能性を、Clydeは純粋なヴィンテージ再現を重視した設計といえるでしょう。
vs Real McCoy Custom RMC Picture Wah:最高峰との比較
項目 | Xotic Wah XW-1 | RMC Picture Wah |
---|---|---|
カスタムオプション | 標準で高度 | オーダーメイド |
即戦力 | 箱出しで完璧 | 要調整 |
価格 | ¥38,000前後 | ¥60,000〜120,000 |
可用性 | 即納可能 | 長期納期 |
RMCは究極のカスタムワウですが、XW-1は標準状態で高度なカスタマイゼーションが可能という実用性で優位に立ちます。
セッティングガイド:あなただけのワウサウンドを見つける方法
ステップ1:基準点の設定
まず、すべてのコントロールを12時位置に設定し、内部DIPスイッチをすべてOFFにします。これが「ニュートラル」な状態です。
ステップ2:BIASコントロールの探求
BIASを最小から最大まで動かし、あなたのギターとアンプに最適な基本キャラクターを見つけます。透明感を求めるなら時計回り、温かみを求めるなら反時計回りに調整します。
ステップ3:WAH-Qの微調整
次にWAH-Qを調整します。ヴォーカル的な表現を求めるなら時計回り、シャープなアタック感を求めるなら反時計回りに。
ステップ4:TREBLEとBASSのバランス
TREBLEで煌めきを、BASSで太さを調整します。楽曲の雰囲気に合わせて微調整を行います。
ステップ5:内部DIPスイッチの実験
4つのDIPスイッチを順番にONにして、周波数レンジの変化を確認します。16通りの組み合わせから、最適な設定を見つけ出します。
まとめ:XW-1がもたらすワウプレイの新次元
真のワウペダルを求めるすべてのギタリストへ―Xotic Wah XW-1は、あなたが探し続けてきた「答え」かもしれません。
Xotic Wah XW-1は、ワウペダルの常識を覆し、新たな基準を打ち立てた画期的なペダルです。その比類なきサウンドクオリティ、自由自在な音色調整能力、そしてギタリストの表現力を最大限に引き出す応答性は、まさに「至高のワウ」と呼ぶにふさわしいものです。
このペダルを手にした瞬間から、あなたのワウサウンドの旅は新たな局面を迎えることでしょう。ファンクのカッティングに熱いグルーヴを、ブルースのソロに魂の叫びを、ロックのリフに破壊的なインパクトを。XW-1は、あなたの想像力を刺激し、新たな音の世界へと誘います。
Xotic Wah XW-1は、過去のワウへの敬意を払いながらも、現代のギタリストが求めるすべてを具現化した、まさに未来志向のデバイスです。このコンパクトな筐体の中に宿る無限の可能性を、ぜひあなた自身の耳で、そして足元で、体験してください。それは、あなたのギタープレイを次の次元へと引き上げる、強力なツールとなるはずです。