オーバードライブ ブースター

WARM AUDIO「Centavo」レビュー:輝き感が凄い!憧れのケンタサウンド

WARM AUDIO Centavo のイメージ画像

そのスイッチを踏み込んだ瞬間、愛機のアンプが突如として黄金の輝きを放ち始める...

この脳天を貫くような透明感、そして限界知らずのダイナミクスは一度体験したら忘れられません。クリーンアンプに繋いでも、既にドライブしたアンプをプッシュしても、ギターの本質的な音色を損なうことなく、音楽的な「輝き」だけを付加する—

1990年代、アメリカでひっそりと生まれ、瞬く間に伝説となり、現在では数十万円ものプレミアム価格で取引される究極のオーバードライブ「Klon Centaur」。その回路、コンポーネント、そして神髄に至るまでを、現代の技術と情熱で再構築したのが、このWARM AUDIO Centavoです。

このペダルには、世界中のトップギタリストが夢中になる「ギター史における一つの時代の解答」が宿っています。

使用レビュー:オリジナルの呪縛を解く、ケンタウロス系の理想点

肝となるゲルマニウムダイオードの選定と忠実な再現性

Centavoの音色の核心は、非対称クリッピングを生み出すゲルマニウムダイオードにあります。WARM AUDIOは、オリジナル「Klon Centaur」が使用していた特定のゲルマニウムダイオードの特性を徹底的に研究・分析。

その結果、NOS(New Old Stock)ゲルマニウムダイオードを採用するか、オリジナルと同等のVf(順方向電圧)とVr(逆方向電圧)特性を持つペアを厳選して搭載しています。この物理的な忠実さこそが、デジタルのモデリングでは決して到達し得ない、有機的でレスポンスの良い歪みを生み出す秘訣です。

クリーンブーストとオーバードライブの「二元論」を超越した設計

Centavoの回路は、「歪み回路」と「クリーンブースト回路」が並列に配置され、ブレンドされているのが特徴です。

  • Gainノブ最小時:ほぼクリーンブーストとして機能し、ギターの音色を高品位なバッファとして増幅・安定化させます。
  • Gainノブを上げていくと:歪み回路からのシグナルが徐々にブレンドされ、歪み成分が増加します。この絶妙なブレンド比率こそが、Centaur系ペダルが「クリーンサウンドに輝きを足し、ドライブサウンドに太さを加える」という、他のオーバードライブにはないユニークな役割を果たせる理由です。原音の明瞭度を保ちながらドライブさせるという、矛盾した要求に応える設計思想です。

トレブルコントロールの特異な作用—周波数帯域の黄金比

CentavoのTrebleノブは、一般的なトーンコントロールとは異なります。これは、特定の高周波数帯域をブースト/カットするだけでなく、歪み回路のクリッピングポイントにも影響を与える、非常に相互作用的なEQです。

Trebleを上げることで、単に音が明るくなるだけでなく、歪みの「粒立ち」がよりシャープになり、逆に絞ることでローミッドに重心のある豊かなトーンになります。このノブを操作するだけで、テレキャスターのキレからハムバッカーの咆哮まで、幅広いギターの個性を引き出すことが可能です。

アンプの個性を活かすハイ・インピーダンス設計

Centavoは、信号入力段で極めて高いインピーダンス(抵抗値)を持つ設計になっています。これは、ヴィンテージチューブアンプの入力段の特性を模倣したもので、ギターからの信号を最大限のダイナミックレンジとレスポンスで受け取ります。

結果として、アンプの持つ周波数特性やレスポンスを支配するのではなく、アンプの良さをさらに引き立てる、まるでアンプの「隠されたポテンシャル」を解放するようなサウンドメイクが可能です。アンプ依存性が極めて低いため、どんなアンプに繋いでも「Centaur的なフィーリング」が得られます。

驚異的なコストパフォーマンス

オリジナルKlon Centaurの市場価格は、状態によっては安くとも数十万円に達し、多くのギタリストにとって手の届かない伝説となっていました。WARM AUDIO Centavoは、オリジナルの音色の真髄を、極めて現実的な価格帯で提供します。

これは、「高価で手に入らない」という障壁を取り払い、「本物の音色を誰もが体験できる」ようにするという、WARM AUDIOの企業哲学の具現化です。この価格で1N34Aゲルマニウムダイオードの恩恵を享受できるのは、驚異的としか言いようがありません。

細部までこだわったコンポーネントの選定

主要なゲルマニウムダイオードだけでなく、Centavoの回路はTexas Instruments TL072といった、オリジナルCentaurが使用していたとされる伝説的なオペアンプを搭載

さらに、高品質なフィルムコンデンサや金属皮膜抵抗を採用することで、ノイズフロアを極限まで低く抑え、ヴィンテージフィールとモダンなHi-Fi性能を高次元で両立させています。 信号の透明性を保つために、コンポーネント一つ一つにまで妥協がないことが、このペダルの音色の純度を決定づけています。

黄金時代のDNA:Centaur回路の設計思想

伝説を築いた「見えざる」回路

Klon Centaurがオーバードライブペダルの歴史において特異な地位を占めるのは、単に「良い音」であるという理由だけではありません。その内部設計の特異性にこそ、秘密が隠されています。

クリーン信号の常時通過:音痩せゼロの秘密

一般的なオーバードライブは、入力信号の全量を歪み回路に通します。しかし、Centaur回路は、入力信号の一部を完全にクリーンな状態でバイパスさせ、それを歪み信号とブレンドします。

この手法により、歪みを深く設定しても、原音の「芯」や「アタックの鋭さ」が失われることがありません。この「クリーンブレンド」こそが、Centaurが「音痩せしない」「原音を活かす」と評される、設計哲学の根幹です。

電源電圧の昇圧:広大なヘッドルームの創出

Centavoは9VDCでも駆動しますが、内部回路ではチャージポンプと呼ばれる昇圧回路により、電源電圧が倍の約18Vにまで引き上げられています。

この高電圧駆動により、ペダルのヘッドルーム(歪むまでの余裕)が飛躍的に増大します。その結果、非常に大きなダイナミックレンジを確保し、ピッキングの強弱に対する追従性が、まるで大型真空管アンプのように有機的でレスポンス豊かになるのです。

非対称クリッピングが生む「音楽的な歪み」

Centavoの歪みは、二つのゲルマニウムダイオードが非対称(片側だけ)にクリッピングすることで生まれます。

これは、真空管アンプのパワーアンプ部がプッシュされたときに発生する自然で音楽的な歪みの特性に酷似しています。偶数次倍音が多く含まれるため、耳障りな高周波成分が少なく、豊かなサスティンと倍音が感じられます。単なる「ゲインブースト」ではなく、「音色を構成する倍音構造の調整」という、より高度な操作を行っているのです。

詳細スペック&ビジュアルインプレッション

基本仕様

項目詳細
製品名WARM AUDIO Centavo
タイプオーバードライブ/クリーンブースト
回路方式アナログオペアンプ、ゲルマニウム・ダイオード非対称クリッピング、チャージポンプ昇圧回路
バイパスバッファードバイパス
寸法約171mm x 127mm x 57mm
重量約907g
参考価格¥30,000前後

筐体デザインの美学と機能性

Centavoの筐体は、オリジナルを象徴する黄金の輝きを放つアルマイト加工で仕上げられています。大型で視認性の高いノブは、暗いステージでも確実な操作を保証します。

ノブの配置はGain(ゲイン)、Treble(高音域)、Output(音量)の3つというシンプルな構成で、迷うことなく直感的なサウンドメイクが可能です。

特に注目すべきは、オリジナルと同じく搭載されている「ケンタウロスモチーフのロゴマーク」。これは、Centaur(ケンタウロス)という名前が示す通り、人間と馬(楽器)の融合、つまりギタリストの表現と楽器のポテンシャルの結合を象徴しているとも解釈できます。

視覚的なインプレッション

大型で角張ったデザインは、存在感と堅牢さを同時に感じさせます。フットスイッチはクリック感の少ないスムーズなタイプを採用し、ライブでのノイズ発生を最小限に抑えています。背面に配置されたジャック類やMODスイッチは、ペダルボード内での省スペース化に貢献しており、現代的な使用環境への配慮が感じられます。

音響分析:Centavoの音色を解剖する

低〜中Gain設定:高品位なバッファ/プリアンプとしての役割

Centavoを語る上で欠かせないのが、Gainノブを最小(7〜9時)にした時のトーンです。この設定では、歪み成分はほとんどなく、純粋なクリーンブーストとバッファとして機能します。

  • 特性
    • 音色の透明度:極めて高く、原音のロスが皆無。
    • 高域の輝き:トレブルノブの作用により、ハイミッドからプレゼンス帯域に品の良い艶が付加される。
    • レスポンス:ピッキングへの追従性が向上し、音の立ち上がり(アタック)が速くなる。このセッティングは、「アンプのチャンネルをもう一つ追加した」かのような効果を生み、既にドライブしているアンプをさらにプッシュしてより深く、音楽的な歪みを生み出すのに最適です。

中〜高Gain設定:ゲルマニウムの非対称歪み

Gainノブを上げていくと、ゲルマニウムダイオードによる非対称クリッピングが活発化します。

  • 特性
    • 歪みの質感スムーズで有機的。シリコンダイオードの歪みのような硬さやザラつきがなく、液体のような滑らかさ
    • 倍音構成:偶数次倍音が多く、豊かなサスティンとコンプレッションが得られる。
    • ミッドレンジ:中域が僅かにブーストされ(俗にいうミッドハンプ)、バンドアンサンブルの中でギターの存在感を際立たせる。この歪みは、コードの分離感が良く、単音弾きでは太く粘りのあるトーンを生み出します。ブルース、フュージョン、クラシックロックのジャンルで、その真価を発揮します。

ジャンル別完全攻略セッティング集

ブルースロック:ミッドレンジの「粘り」と「色気」

設定:

  • Gain: 1時(中程度にドライブ)
  • Treble: 12時(フラット気味)
  • Output: 1時(ブースト)
  • 推奨楽曲: John Mayer「Gravity」、Eric Clapton「Layla」

    Centavoをフェンダー系アンプのクリーンチャンネルに接続し、Gainでわずかな歪みとコンプレッションを加えます。Trebleを12時にすることで、ミッドレンジの「コク」を最大限に引き出し、サスティンと粘りのあるブルーストーンを創出します。

カントリー/フュージョン:クリーン・トーンの「輝き」

設定:

  • Gain: 8時(最小限)
  • Treble: 3時(大胆にブースト)
  • Output: 10時(音量補正程度)
  • 推奨楽曲: Robben Ford、Larry Carlton

    Centavoのバッファ特性と高域ブーストを最大限に活用するセッティングです。歪みはほとんどなく、クリーンアンプのトーンをHi-Fi化し、音の輪郭をシャープにします。テレキャスターやストラトキャスターの高域の「キラキラ感」を際立たせる、魔法のトーンエンハンサーとしての使い方です。

ハードロック/モダン:アンプのポテンシャルを解放するブースター

設定:

  • Gain: 9時(ほぼ最小)
  • Treble: 10時(ややカット)
  • Output: 3時(強力にブースト)
  • 推奨楽曲: Foo Fighters、Metallica(リードトーン)

    Marshall系やMesa Boogie系のハイゲインアンプをブーストする際の定番セッティングです。Centavoをアンプのプリアンプの前段に配置し、Outputでアンプのゲインステージを強力にプッシュします。Gainを絞り、Trebleをわずかにカットすることで、ハイゲインアンプの低域の「濁り」を整理し、タイトでモダンなドライブトーンに変貌させます。

ギターソロ:極上のリードトーン

設定:

  • Gain: 2時(積極的な歪み)
  • Treble: 1時(わずかにブースト)
  • Output: 12時~1時
  • 推奨楽曲: Jeff Beck、Joe Bonamassa

    Centavoのゲルマニウム歪みをフル活用するセッティングです。Gainを高めに設定し、豊かな倍音とサスティンを生み出します。Trebleをわずかに上げると、リードトーンに必要な「ヌケの良さ」が得られ、ボーカルにも負けない存在感を発揮します。この歪みの粘り気とダイナミクスは、リードプレイの表現力を格段に高めます。

知人プロが語る:Centavoとの出会い

プロギタリスト(知人) A氏の証言

「私のボードには長年、高価なクローンペダルが鎮座していましたが、WARM AUDIO Centavoを試した瞬間、『もうこれで十分だ』と確信しました。音色の『空気感』、『タッチに対するレスポンス』、『ミッドの押し出し方』—どれを取ってもオリジナルのフィーリングを完全に捉えている。

特に感心したのは、Trebleノブの効き方。ただ高音をブーストするのではなく、歪みのテクスチャー自体を滑らかにしたり、ザラつかせたりする。これがあるからこそ、どんなギター、どんなアンプにも柔軟に対応できるんです。現場を知っている設計だと感じました。」

レコーディングエンジニア S氏の体験談

「ゲルマニウムダイオードを使っているにも関わらず、極めてクリーン。 ミックスで苦労するのが、歪みペダルの不要な高周波ノイズや、低域の膨らみですが、Centavoはミッドレンジに重心があり、低域がタイトに保たれているため、他の楽器との棲み分けが非常に明確です。EQでの処理が格段に楽になり、自然とミックスの中でギターが『前に出てくる』トーンが得られました。これは、プロの現場で即戦力になるペダルです。わかりやすく言うと、キース・リチャーズのようなサウンドが得意ですよね」

ライバル機との徹底比較分析

vs Ibanez Tube Screamer TS808:ミッドブーストの雄との対決

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Ibanez(アイバニーズ)
項目WARM AUDIO CentavoIbanez TS808
回路哲学クリーンブレンド+ゲルマニウム非対称全信号クリッピング+ミッドブースト
歪みの種類スムーズで有機的(偶数次倍音)コンプレッションが強く、ザラつきあり
音色傾向原音重視、レンジが広い、透明感ミッドレンジ特化、ローエンドカット
バッファ高品位バッファバッファードバイパス
役割トーンエンハンサー/プリアンプ/ODブースター/OD

Centavoは原音の明瞭度を保ちつつ歪みを加えますが、TS808はミッドレンジを強くブーストし、積極的な音色変化をもたらします。TS808が「ギターの音をTSの音に変える」のに対し、Centavoは「ギターの音にCentaurの輝きを付加する」という違いがあります。

vs Analog Man King of Tone:デュアルオーバードライブとの比較

項目WARM AUDIO CentavoAnalog Man King of Tone
回路の種類CentaurクローンAnalog Man OD (Maxon OD820ベース)
特徴ゲルマニウム非対称、クリーンブレンド2つの独立OD/ブースター、内部ディップスイッチ
音色傾向透明感、ハイレンジ、ミッドハンプミッドレンジ、オーガニック、柔軟な設定
入手難易度わりと低い非常に高い(長期待ち)

KoTは柔軟な設定が魅力のデュアルODですが、Centavoは「Centaurトーン」という一つの完成された音色に特化しています。KoTはサウンドメイクの幅が魅力ですが、Centavoは「黄金のトーン」というアイデンティティの強さが魅力です。

vs Klon Centaur(オリジナル):伝説との対面

項目WARM AUDIO CentavoKlon Centaur (オリジナル)
ゲルマニウムNOS or 特性マッチ品NOS(生産終了)
回路忠実に再現オリジナル
価格¥30,000前後数十万円〜(プレミアム)
実用性低(故障・盗難の心配)

Centavoは、オリジナルの音色の真髄を保ちながら、現代のギタリストが求める実用性と耐久性を付加した「進化版」とも言える存在です。サウンド的な差異は極めて少なく、「本物のCentaurトーン」を求めるなら、Centavoは最も賢明な選択肢の一つです。

まとめ:サウンドをさらなる高みへと導く「秘密のフィルタ」

WARM AUDIO Centavoは、オーバードライブペダルのクローンという枠を遥かに超えた、現代の技術による「伝説の再構築」です。

高品質オペアンプとゲルマニウムダイオードが生み出すスムーズで有機的な歪み。チャージポンプ昇圧回路が実現する広大なヘッドルーム。そして、クリーン信号と歪み信号の絶妙なブレンドによる音痩せのない透明感。これらすべてが、高価なヴィンテージペダルでしか味わえなかった「黄金の輝きを持つトーン」を、現実的な価格で、高い実用性と共にあなたの足元にもたらします。

WARM AUDIO Centavoは、きっとあなたのサウンドをさらなる高みへと導く「秘密のフィルタ」となること間違いなしでしょう!

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