コンプレッサー ブースター

STRYMON「COMPADRE」レビュー:最高峰コンプと極上ブーストが共鳴!

STRYMON COMPADRE のイメージ画像

オレンジレッドのこの美しいペダルをオンにした瞬間、ギターの輪郭が鮮明に浮かび上がる..。

STRYMON(ストライモン)のCOMPADRE(コンパドレ)- Dual Voice Compressor & Boost -は、弾き手をインスパイアする音楽的なサスティーンを得るために、あえて「アナログ回路」の可能性を極限まで追求した一台。

最高峰のコンプレッションと極上のブースターが共鳴する本機は、あらゆるアンプを「ブティック・クラス」へと昇華させる「究極のトーン・マシン」。

このペダルは、あらゆるジャンルのギタリストが求める「理想のクリーントーン」と「極上のドライブへの架け橋」を完璧なマッチングで出力してくれますよ〜!

使用レビュー:エンハンサーやマキシマイザー的な輝き

COMPADREを単なる「音を潰す普通のコンプレッサー」だと思っているなら、その認識は一変するはずです。このペダルの真価は、むしろ「音のピントを合わせ、密度を極限まで高める」エンハンサーやマキシマイザーとしての挙動にあります。

特に「Studioモード」で「Dryノブ」を絶妙にミックスした時のサウンドは圧巻です。耳に痛い高域を削るのではなく、埋もれていた倍音成分をグッと前面に引き出し、弦一本一本の振動が立体的に浮き上がってくるような感覚。それはまるで、曇ったレンズを最高級の光学レンズに交換したかのような、圧倒的な解像度の向上をもたらします。

さらに、Dirtyブーストを薄く絡めれば、マキシマイザー特有の「音圧感」が加わり、クリーンなのに太い、艶やかなトーンが完成します。単に音を大きくするのではなく、音の粒子を整列させ、アンプのポテンシャルを強制的に引き出す――まさに「トーンの修復・強化デバイス」と呼ぶに相応しい完成度です。

※印象としては、スタジオ定番機であるBBEのマキシマイザーに近い匂いがします

スタジオ級のVCA回路がもたらす圧倒的な透明度

COMPADREの心臓部には、最高品質のVCA(Voltage Controlled Amplifier)ベースのコンプレッサー回路が搭載されています。特筆すべきは、その圧倒的な「音楽性」です。安価なコンプレッサーにありがちな「音の痩せ」や「不自然なアタックの潰れ」が一切ありません。

スタジオラック機材に匹敵する解像度を持ちながら、ギタリストが愛してやまない「アナログの質感」を両立している。このバランスこそがSTRYMONの真骨頂です。

性格の異なる2つのコンプレッション・モード

「Studio」と「Squeeze」、トグルスイッチ一つでキャラクターを劇的に変えられます。

  • Studioモード: 1970年代のラック型コンプレッサーを彷彿とさせる、極めて透明でスムーズな圧縮。カッティングの粒立ちを揃えたり、アンサンブルに馴染ませるのに最適です。
  • Squeezeモード: 伝統的なペダル・コンプレッサーの質感を再現。深いサスティーンと、パコーンと弾けるようなパーカッシブなアタックが特徴で、カントリーやファンク、リードプレイに生命を吹き込みます。

クリーンからダーティまで網羅する3種のブースト回路

COMPADREは単なるコンプレッサーではありません。独立したブースト・セクションこそが、このペダルの価値を倍増させています。

「Clean」は原音を忠実に増幅し、「Dirty」は真空管のようなサチュレーションを付加。さらに「Flat」「Mid」「Treble」のEQカーブを組み合わせることで、手持ちのアンプのキャラクターを自在に操れます。ミッドブーストでソロを際立たせることも、トレブルブーストでヴィンテージな質感を出すことも思いのままです。

これは理想オブ理想のアプローチ!

「Dry」ノブによるパラレル・コンプレッション

現代のレコーディング技術において不可欠な「パラレル・コンプレッション」が、このノブ一つで実現します。

コンプレッションをかけた音に、あえて「加工前の生音(Dry音)」を混ぜ合わせる。これにより、ダイナミクスを制御しながらも、ピッキングの繊細なニュアンスやアタックの鮮明さを100%維持することができます。

音の解像度を底上げする「Class A」JFETプリアンプ

入力セクションには、ディスクリートClass A JFET回路を採用。ギターを接続した瞬間から、信号は最高純度のまま処理されます。このプリアンプの恩恵により、エフェクトを深くかけてもノイズフロアが極めて低く、ダイナミックレンジが損なわれることがありません。

MIDIとプリセットによる現代的な拡張性

アナログ回路でありながら、TRS MIDIを介して最大300ものプリセットを保存・呼び出し可能です。

曲ごとに「クリーンカッティング用の薄いコンプ」と「ソロ用の深いコンプ+ミッドブースト」を使い分けるといった運用が、このサイズで完結します。まさにライブ志向のプロフェッショナル仕様です。

ボリュームペダル機能の搭載(隠れた名機能)

専用のボリューム・ジャックにエクスプレッション・ペダルを接続すれば、VCAボリュームペダルとして機能します。

信号劣化のない、滑らかなボリューム・スウェルが可能です。これ一台で「コンプ」「ブースト」「ボリュームペダル」の3役をこなし、ボードの省スペース化に大きく貢献します。

「静」と「動」のアプローチで、トーンの土台を再構築

ギターの「声」を磨き上げるデュアル・アプローチ

ギターサウンドの良し悪しは、初段の信号処理で決まると言っても過言ではありません。

COMPADREは、音を圧縮して整える「静」のアプローチ(コンプレッサー)と、音を押し出して彩る「動」のアプローチ(ブースト)を、一つの筐体で完璧に調和させています。

アナログ回路とデジタル制御の「ハイブリッド・マスタリー」

STRYMONの凄みは、音声信号は完全にアナログのまま、その制御(ノブの挙動やスイッチング)を精密なマイクロプロセッサーで行う点にあります。これにより、アナログならではの「太さ」と、デジタルならではの「信頼性・多機能性」を一つの回路に同居させているのです。

詳細スペック&ビジュアルインプレッション

基本仕様

項目詳細
製品名STRYMON COMPADRE
タイプアナログVCAコンプレッサー / 3系統ブースト
入出力高音質Class A JFET入力 / モノラル出力
外部制御エクスプレッション(ボリューム)、MIDI、MiniSwitch対応
電源DC(センターマイナス)
寸法約117mm × 102mm × 67mm
参考価格¥45,000〜¥50,000前後

洗練された機能美

マットなオレンジレッドの筐体は、美的かつ高級感に溢れています。STRYMONらしい整然としたコントロール配置は、直感的な操作を約束。

中央に位置する2つのフットスイッチは、クリック感のないサイレント・スイッチを採用。ライブ中の切り替えもノイズレスでスムーズです。各ノブのトルク感も絶妙で、ミリ単位の微調整がストレスなく行えます。

徹底解説:コンプレッションとブーストの相関関係

「Studio」vs「Squeeze」:波形の芸術

  • Studio(VCA): 非常に透明で、音が「横に広がる」ような感覚です。コンプをかけていることを忘れさせるほど自然ですが、オフにすると物足りなさを感じる――そんな「常にオンにしておきたい」サウンドです。
  • Squeeze: 音が「前に出てくる」感覚。コンプ特有の粘りがあり、サスティーンの終わり際まで音が太く残ります。

3つのEQプロファイルが作る「隙のない」音作り

ブースト側のスイッチで選べる3つのモードは、アンプとの相性を補完します。

  1. Treble: ダークなハムバッカーをシャープに。
  2. Mid: シングルコイルにコシを与え、リードを際立たせる。
  3. Flat: アンプの個性を変えず、純粋にゲインを稼ぐ。

ジャンル別:COMPADRE 活用セッティング案

モダン・ファンク:切れ味鋭いカッティング

  • Compressor: Studioモード / Comp: 11時 / Dry: 2時
  • Boost: Clean / Flat / Level: 10時コンプを深めにかけつつDry音を混ぜることで、パーカッシブなアタックを残しながら音量を一定に保ちます。

ネオ・ソウル:メロウで温かいトーン

  • Compressor: Squeezeモード / Comp: 9時 / Dry: 12時
  • Boost: Dirty / Mid / Level: 11時Dirtyブーストを薄くかけることで、指弾きでも埋もれない適度なサチュレーションを付加します。

ブルース・ロック:歌うようなロングサスティーン

  • Compressor: Squeezeモード / Comp: 2時 / Dry: 9時
  • Boost: Dirty / Mid / Level: 1時リードソロに最適な、粘りのあるドライブサウンド。アンプをプッシュし、無限に続くかのようなサスティーンを得られます。

TRYMON COMPADRE を愛用するアーティストたち

江島 啓一(ポルカドットスティングレイ)

日本のギターシーンにおいて、緻密なカッティングと洗練されたリードプレイで知られる江島氏。彼はギター・マガジンのインタビューにおいて、COMPADREをカッティングに最適な一台として挙げています。

  • 使用ポイント: 「Studioモード」によるまとまりの良さを高く評価。ノブのどの位置でも音楽的に響く「外れのない安心感」を信頼の理由としています。

Rhett Shull(レット・シュル)

YouTubeで絶大な影響力を持ち、プロのセッションギタリストとしても活躍するRhett Shull。彼は長年「コンプレッサー嫌い」を公言していましたが、COMPADREとの出会いによってその考えを改めました。

  • 使用ポイント: プレイヤーのニュアンスを殺さない自然な反応と、Dirtyブーストによる真空管アンプのような飽和感を絶賛。自身のメインボードの「一歩目」として定着させています。

TAIKING(Suchmos)

Suchmosのギタリストとして、またソロアーティストとしても洗練されたグルーヴを奏でるTAIKING氏。彼もまた、ボードの核としてCOMPADREをチェックしています。

  • 使用ポイント: 背面のボリューム端子をエクスプレッション・ペダルで操作する利便性や、Studioモードの透明感に注目。プロの現場で「計算できる音」として重宝されています。

Bill Vencil(Chords of Orion)

アンビエント・ギターの第一人者であるBill Vencilは、その広大な空間演出の土台としてCOMPADREを愛用しています。

  • 使用ポイント: 繊細なフィンガースタイルにおいて、ダイナミクスを均一化しながらも音の明瞭さを保つ「並列コンプレッション(Dryミックス)」を多用。

現場の声:プロフェッショナルが語るCOMPADRE

スタジオ・ミュージシャン K氏の証言

「これまで多くのコンプを試してきましたが、COMPADREほど『仕事が早い』ペダルはありません。

現場で求められる音に数秒で辿り着けます。特にDryノブの存在が大きく、これがあるおかげでカッティングのフレーズが死なない。もはや私の『基本の音』です。」

ライブ・エンジニア T氏の体験談

「ギタリストがCOMPADREを導入してから、外音(PA)の処理が劇的に楽になりました。数段格上のサウンドになりますよ。

ダイナミクスが音楽的に整理されているので、他の楽器との分離が良いんです。ノイズが極めて少ないのも、静かなセクションが多い楽曲では非常に助かります。」

ライバル機との徹底比較:STRYMON COMPADRE vs 3大有力ペダル

コンプレッサー選びにおいて、COMPADREの立ち位置を明確にするために、市場を代表する3つの有力機と比較しました。それぞれの「設計思想」と「得意分野」の違いに注目してください。

1. vs Origin Effects Cali76 (Compact Deluxe/FET)

「究極のアナログ精度か、多機能なトーン構築か」

比較項目STRYMON COMPADRECali76 FET Compressor
回路方式アナログVCAアナログFET (1176系)
操作の複雑さ低(直感的な2モード)高(Attack/Releaseが独立)
追加機能3系統ブースト、MIDI、Volペダル機能なし(コンプ純粋主義)
サウンド傾向透明・モダン・万能濃密・音楽的な色付け・リッチ

【コメント】

Cali76は伝説の1176をペダル化した「コンプの王様」です。微細なアタック感まで追い込みたい「ツウ」にはCali76が向いていますが、ライブでの利便性やブーストを含めた総合的な音作りならCOMPADREに軍配が上がります。COMPADREはCali76ほど「潰している感」が強く出ないため、よりナチュラルな質感を好む層に支持されています。

2. vs Keeley Compressor Plus

「業界標準の安心感か、ハイエンドの解像度か」

比較項目STRYMON COMPADREKeeley Compressor Plus
ターゲットプロ/ハイエンド志向全ギタリスト/スタンダード
ノイズ耐性非常に高い(Class A JFET)標準的
音色の幅Studio/Squeezeの2極伝統的な「クアック」サウンド
価格帯高価格(約5万円前後)やや手頃(約2.6万円前後)

【コメント】

Keeleyは「迷ったらこれ」と言われる大定番ですが、COMPADREと並べると解像度の差は歴然です。Keeleyはエフェクターらしい「パコーン」という心地よいコンプ感を作りますが、COMPADREはハイファイなスタジオ機器を繋いだような高級感を付加します。予算が許し、ボードの質を一段階上げたいなら、COMPADREへの投資は後悔しないはずです。

3. vs Universal Audio UAFX 1176 Studio Compressor

「歴史的再現度か、現代的な操作性か」

比較項目STRYMON COMPADREUAFX 1176
信号処理アナログ音声回路デジタルDSP(高精度)
モード数2(Studio / Squeeze)3(Single / Dual / Sustain)
プリセットMIDI経由で300保存可能なし(基本はツマミ通り)
ブースト機能独立したフットスイッチで可能なし

【コメント】

UA 1176は、デジタル技術を駆使して実機の挙動を100%再現しようとする野心作です。「あの名盤の1176サウンドそのもの」が欲しいならUAが最適です。対してCOMPADREは、1176を含む様々なスタジオコンプの「良いところ」を抽出し、ブースト機能と組み合わせて現代のボードに最適化させた「実戦機」といえます。

比較まとめ:COMPADREを選ぶべき決め手は?

COMPADREがライバルを圧倒しているのは、「コンプとブーストの組み合わせが、単なる2in1を超えた相乗効果(エンハンサー的効果)を生んでいる点」です。

  • 音作りを完結させたいなら: COMPADRE(ブーストとEQで補正可能)
  • コンプの挙動だけを極めたいなら: Cali76
  • コスパと手軽さを選ぶなら: Keeley
  • 特定のヴィンテージトーンが欲しいなら: UAFX 1176

COMPADREは、音を整えるだけでなく「音そのものを強く、美しくする」という、マスタリング機材に近い満足感を与えてくれる唯一無二の存在です。

まとめ:あなたのギターサウンドに「気品」と「力強さ」を

STRYMON COMPADREが持つ、スタジオクオリティの透明な圧縮、アンプのポテンシャルを120%引き出す3種のブースト、そして現代的な拡張性。そもそも、これらが一つの筐体に収まっていること自体が驚異的です。

コンプ+ブースターとしては、そこそこ高価な投資ではありますが、これ一台で得られる「音の安定感」と「演奏のしやすさ」は、他のペダルを何台買い替えても得られないものです。

耳の肥えたオーディエンスを唸らせる「気品あるクリーントーン」から、ここぞという場面でアンプを唸らせる「力強いドライブ」まで、サウンド全体の「品位」と「生命力」の劇的な向上を約束してくれる名機として太鼓判を押せます!

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