
弾いた瞬間、音の粒子を過去へと運ばれる感覚!
初めてStrymon Deco V2のサウンドに触れた瞬間、私の脳裏に蘇ったのは、あの伝説的な音楽制作の黄金時代、1950年代後半から1970年代初頭のスタジオの光景でした。それは、分厚いテープリールがゆっくりと回り、真空管がほんのりと熱を帯び、磁気ヘッドが音楽を記録し、そして複製していく、アナログのロマンが溢れていた時代です。
その時代のテープレコーダーが偶然にもたらした芸術的な副作用、すなわちテープエコーとダブルトラッキングという二つのサウンドメイクの礎を、現代の技術で完璧に再現したサウンドテクスチャリング・ツールです。一歩踏み込めば、目の前のアンプから聞こえるのは、ビートルズの初期のレコーディング、サム・フィリップスがサン・スタジオで生み出したロカビリー、そしてキング・オブ・レゲエ、ボブ・マーリーを支えたダブの空気感。単なるエフェクトを超えた、音楽的タイムマシンがここにあります。
カリフォルニア州サウザンドオークスに拠点を置くStrymonは、その「科学と芸術の融合」という哲学のもと、デジタルプロセッシングの限界を押し広げ続けてきました。彼らがDeco V2で目指したのは、単なるテープエコーのシミュレーションではなく、「テープマシンをプリアンプとして通した時のトーンの色付け」「テープの速度ムラ(ワウ・フラッター)による有機的なモジュレーション」、そして「ステレオ空間を構築するダブリング(ADT)」という、音楽的価値の高い要素の完全な再現です!
使用レビュー:テープエコープリアンプの美味しい部分を独り占め
磁気飽和の美学:テーププリアンプの完全な再現
Deco V2の最も特筆すべき点は、その「音の質感」にあります。多くのテープエコーペダルがディレイ効果に焦点を当てる中、Deco V2は信号がテープマシンのプリアンプと磁気テープの物理特性を通過する過程で生じる倍音の付加とコンプレッションを驚くほど正確に再現しています。
- 真空管アンプ的なレスポンス: Saturation(サチュレーション)ノブを回すと、単なるデジタルオーバードライブではなく、テープの粒子が飽和していくような有機的な歪みが生まれます。ゲインを上げても耳障りな高域がなく、中域が豊かに膨らむ、まるでクラスA真空管アンプを通したかのような温もりがあります。
- トーン・シェイピング・ツール: このサチュレーションは、曲の展開に応じてクリーンブーストから、ファズ一歩手前の濃厚なオーバードライブまで自在に音色を変化させる強力なトーン・シェイピング・ツールとして機能します。これは、アンプの直前に置く「もう一つのプリアンプ」としてのDecoのアイデンティティを確立しています。
二つの音響的柱:ダブルトラッキングとテープエコー
Deco V2は、「LAG DECK(ラグ・デッキ)」と「TAPE DECK(テープ・デッキ)」という二つの独立した音響効果を一つの筐体に凝縮しています。これは、従来のペダルには見られない、レコーディングスタジオのワークフローを再現した革新的な設計です。
- LAG DECK (ダブルトラッキング/ADT): Auto-Double Tracking (ADT)という技術を再現。これは、異なる速度で録音・再生した二つの信号を重ねることで、ギターのサウンドにコーラス、フランジャー、ヴィブラートといった立体的なモジュレーション効果を生み出します。特にWidenモードでは、モノラル入力から驚くほど広大なステレオイメージを創出します。
- TAPE DECK (エコー/ディレイ): 伝説的なRE-301やEchoplexといったテープエコーマシンのサチュレーション、揺らぎと減衰をシミュレート。Lag Timeを調整することで、タイトなスラップバックから、長尺のサイケデリックなディレイまでカバーします。
ClassicとCassette、2つのテープボイシング
V2で新たに追加されたVOICEスイッチにより、2種類のテープマシン特性を切り替えられます。
Classicモードは、プロフェッショナルな2トラック・マスタリング用オープンリールマシンの応答特性とサチュレーション特性を忠実に再現。高域の自然なロールオフと、倍音豊かな低域が特徴です。
Cassetteモードは、1970年代のハイエンド・カセットデッキに搭載されていたオートレベルコントロール(ALC)プロセスを再現。ダイナミックで太い音色と、心地よいコンプレッション感をもたらします。
新設のTONEノブによる音色の自在な調整
V2で追加されたTONEノブは、テープ・サチュレーションの音色をダークからブライトまでシームレスに調整できます。これにより、暗めのアンプを明るくしたり、逆にハイが出すぎる環境を温かみのある方向へ導いたりすることが可能になりました。
従来のV1では、サチュレーションの「量」のみをコントロールしていましたが、V2ではそのキャラクターまで自在に彫刻できるようになったのです。
外部コントロールへの深い対応:MIDIとエクスプレッション
現代のプロフェッショナルなニーズに応えるため、Deco V2はフルMIDI対応を実現。
- プリセットの呼び出し: 300種類ものプリセットをMIDI経由で瞬時に呼び出し可能。ライブパフォーマンスやスタジオワークで、複雑な設定を迷いなく切り替えられます。
- リアルタイム・コントロール: エクスプレッションペダルまたは外部スイッチにより、Lag TimeやSaturation、Wobbleの深さなどをリアルタイムで操作可能。演奏中にドラマティックな音色変化を加える高度な表現力を提供します。
ヴィンテージスタジオのDNAを受け継ぐ設計思想
1950〜60年代、レコーディングスタジオに導入されたオープンリール・テープマシンは、単なる録音機器ではありませんでした。創造的なエンジニアたちは、これらの機器を「最初のエフェクター」として活用し始めたのです。
テープに録音する際の自然なサチュレーション、2台のデッキを同時に走らせることで生まれるフランジング、わずかな速度差から生じるコーラス効果、そして遅延によるスラップバックやエコー。これらすべてが、テープマシンという「楽器」から生まれました。
Sun StudioでSam Phillipsが生み出したロックンロールの原型的サウンド、Abbey RoadでBeatlesのエンジニアKen Townsendが発明した「オートマティック・ダブル・トラッキング(ADT)」。音楽史を変えたこれらの発見は、すべてテープマシンの創造的な活用から生まれたものです。
フランジングの起源:ジョン・レノンと「Ken's Flanger」
「フランジング」という言葉の語源には諸説ありますが、その一つにBeatlesのプロデューサー、ジョージ・マーティンの逸話があります。ADTの仕組みを尋ねられた際、彼は「オリジナルのイメージを取り出して、ダブル・バイブロケイテッド・スプロッシング・フランジで分割するんだ」と冗談交じりに説明。以来、ジョン・レノンはこの効果を「Ken's flanger(ケンのフランジャー)」と呼ぶようになったと言われています。
もう一つの説は、テープリールの「フランジ(縁)」を指で押さえることで速度を変化させる技法に由来するというもの。いずれにせよ、フランジングという効果が「テープマシンの物理的操作」から生まれたことは間違いありません。
DECO V2は、この歴史的な音響技法を、デジタル技術によって忠実に再現しています。しかし、その結果として得られるサウンドは、決してデジタル的な冷たさを持ちません。むしろ、アナログテープ特有の温かみと、予測不可能な有機的揺らぎが感じられるのです。
ダブルトラッキングの魔法
1960年代のレコーディングでは、ボーカルやギターを2回録音して重ねる「ダブルトラッキング」が一般的でした。しかし、完璧に同じ演奏を2回行うことは困難であり、また時間もかかります。
Abbey RoadのエンジニアKen Townsendが開発したADTは、この問題を解決しました。同じ音源を2台のテープマシンで再生し、わずかな速度差を持たせることで、あたかも2回演奏したかのような厚みを自動的に生み出すことができたのです。
DECO V2のDoubletracker セクションは、まさにこの技法を現代に蘇らせています。Lag Timeノブ一つで、微細なダブルトラッキング効果からワイドなコーラス、スラップバックディレイ、さらには500msまでのテープエコーまで、連続的に変化させることができます。
詳細スペック
基本仕様
| 項目 | 詳細 |
| 製品名 | STRYMON DECO V2 |
| タイプ | デュアル・テープサチュレーション&テープエコー/ダブルトラッキング |
| 電源 | 9VDC(センターマイナス)/ 300mA以上推奨 |
| 入出力 | ステレオ入出力、TRS EXP/MIDI、USB-C |
| プリセット | 300プリセット(MIDI経由) |
| 製造国 | アメリカ(カリフォルニア州) |
| 参考価格 | ¥63,000前後 |
音響分析:2つのセクションの特性
Tape Saturationセクション:アナログテープの温もり
Tape Saturationセクションは、テープに録音する際に生じる自然な圧縮感、倍音付加、周波数特性の変化を再現します。
特性:
- 低〜中程度のSaturation設定:微細なコンプレッションと高域のピーク抑制、倍音豊かな低域
- 高Saturation設定:透明感のあるテープスタイル・オーバードライブ、自然な歪み感
- Classicモード:オープンリールマスタリングマシン特有のスムーズで上品なサチュレーション
- Cassetteモード:ALC処理による積極的なコンプレッション、ファットで存在感のある音色
このセクションは、信号経路の最後に「常時オン」で配置するのが推奨される使い方の一つ。すべての音源にテープ特有の温かみと一体感を与える、いわば「音の調味料」として機能します。
Doubletrackerセクション:時間軸を操る多彩な効果
Doubletrackerセクションは、2台のテープマシンを直列に接続した状態を再現。Lag Timeノブでリファレンスデッキとラグデッキの時間差を調整することで、様々な効果を生み出します。
Lag Time設定による効果の変化:
- 0〜3ms:テープフランジング(スウィープするジェット音効果)
- 3〜50ms:テープコーラス(空間的な広がりと微細な揺らぎ)
- 50〜150ms:スラップバック・ディレイ(ロカビリー、カントリー的効果)
- 150〜500ms:テープエコー(明瞭な反復音)
Blendノブはリファレンスデッキとラグデッキのミックスバランスを、Wobbleノブはラグデッキにランダムな速度変動を加えます。このWobble機能により、人間が実際にテープマシンの速度を手で変化させているかのような、有機的なモジュレーションが得られます。
ジャンル別完全攻略セッティング集
ロカビリー/カントリー:Sun Studioスラップバック
設定:
- Saturation: 10時(軽め)
- Tone: 1時(やや明るめ)
- Volume: ユニティ
- Voice: Classic
- Lag Time: 2時〜3時(80〜120ms)
- Blend: 12時
- Wobble: 8時(最小限)
- Type: Sum
推奨楽曲:Elvis Presley「That's All Right」、Brian Setzer「Stray Cat Strut」
このセッティングは、1950年代のSun Studioで生まれたスラップバック・ディレイを再現します。Saturationを控えめにしてクリーンな原音を保ちつつ、Lag Timeで明確なエコーを付加。Wobbleは最小限にして、リズミックでタイトなスラップバックを実現します。
Teleキャスターやグレッチとの相性は抜群です。
サイケデリックロック:テープフランジングの極致
設定:
- Saturation: 12時
- Tone: 11時(やや暗め)
- Volume: ユニティ〜やや上げ
- Voice: Classic
- Lag Time: 8時〜10時(フランジング領域)
- Blend: 1時〜2時
- Wobble: 12時〜2時
- Type: Invert
推奨楽曲:The Beatles「Tomorrow Never Knows」、Jimi Hendrix「Bold as Love」
Invertモードでの位相反転が、あのサイケデリックなスウィープ音を生み出します。Wobbleを上げることで、予測不可能な揺らぎが加わり、まるで異次元を飛行しているかのような音響体験が得られます。
フットスイッチを両方同時に押すことで作動するAuto-Flange機能も活用しましょう。
シューゲイザー/ドリームポップ:層状の音響テクスチャー
設定:
- Saturation: 1時〜2時(積極的に)
- Tone: 10時(ダーク)
- Volume: 12時〜1時
- Voice: Cassette
- Lag Time: 10時〜12時(コーラス領域)
- Blend: 2時
- Wobble: 1時
- Type: Sum
推奨楽曲:My Bloody Valentine「Only Shallow」、Slowdive「When the Sun Hits」
Cassetteモードのコンプレッション感と、コーラス領域のLag Timeを組み合わせることで、音が層のように重なり合う壁を構築。ディストーションペダルの後段に配置し、歪んだギターにさらに厚みを加えるのが効果的です。
リバーブと組み合わせると、まさにシューゲイザーの音風景が完成します。
ブルース/ロック:温かいオーバードライブ
設定:
- Saturation: 2時〜3時
- Tone: 12時
- Volume: 11時〜12時
- Voice: Classic
- Lag Time: 9時〜10時
- Blend: 11時(控えめに)
- Wobble: 9時(最小限)
- Type: Sum
推奨楽曲:Stevie Ray Vaughan「Pride and Joy」、John Mayer「Gravity」
Saturationを上げてテープ・オーバードライブを引き出しつつ、Doubletrackerセクションは控えめに設定。これにより、真空管アンプを自然にドライブさせたような、温かく反応性の高いサウンドが得られます。
ギタリストの増崎孝司氏が語るように、「歪まないアンプにDECOで押してやると、ヘッドルームが歪んでいる本当のヴィンテージアンプの音がする」のです。
ポップス/シンガーソングライター:透明な厚み
設定:
- Saturation: 9時(微細)
- Tone: 1時
- Volume: ユニティ
- Voice: Classic
- Lag Time: 11時(軽いコーラス/ダブリング)
- Blend: 11時
- Wobble: 10時
- Type: Sum
推奨楽曲:John Mayer「Slow Dancing in a Burning Room」、Ed Sheeran全般
最小限のSaturationで透明感を保ちつつ、軽いダブルトラッキング効果で音に「存在感」を与えます。ミックスの中で他の楽器と干渉せず、かつギターがしっかりと「座る」ポジションを確保できます。
アコースティックギターにも効果的です。
アンビエント/ポストロック:広大な音響空間
設定:
- Saturation: 11時
- Tone: 10時(ダーク)
- Volume: 12時
- Voice: Cassette
- Lag Time: 2時〜4時(長いディレイ領域)
- Blend: 2時〜3時
- Wobble: 1時〜2時
- Type: Bounce
推奨楽曲:Explosions in the Sky「Your Hand in Mine」、Sigur Rós「Hoppípolla」
BounceモードとWide Stereoモード(隠し機能)を組み合わせることで、左右に広がる反復音が立体的な音響空間を構築。長めのLag Timeとたっぷりの Wobble が、テープエコー特有の揺らぎと減衰を生み出します。
BigSkyやTimeLineなどのリバーブ/ディレイと組み合わせると、無限に広がる音響宇宙が出現します。
知人プロが語る:Strymon Deco V2との「磁気的邂逅」
スタジオギタリスト K氏の証言
「僕がDeco V2を愛用している最大の理由は、『音の解像度を下げずに音色を温められる』からです。一般的なアナログペダルは確かに温かいですが、どうしても解像度が落ちる。でもDecoのSaturationは、ハイエンドのテープマシンを通した時と同じで、中域が持ち上がり、倍音が増えるのに、音の粒立ち(アタック)は全く損なわれない。」
マスタリングエンジニア S氏の体験談
「多くのディレイやモジュレーションペダルは、ミックス時に不必要な高域のピークを出したり、低域が濁ったりする。しかしDeco V2のサウンドは、最初からマスタリング済みのアナログテープのような音色なんです。
Saturationノブは、トラックに立体感と奥行きを与えるのに最適。ミックス全体が『ヴィンテージの空気感』をまとい、デジタルミックス特有の『硬さ』が嘘のように消えるんです。」
Strymon Deco V2 主な使用アーティスト
※ STRYMON DECO V2は新しいモデルですが、その基本的な音響的核(SaturationとDoubletracker)は先代のオリジナルDecoと共通しています。そのため、ここではオリジナルDecoの使用例も含めて掲載しています。
ロック / オルタナティブ
| アーティスト名 | 主なバンド |
| Billy Corgan | The Smashing Pumpkins |
| Chris Shiflett | Foo Fighters |
| Noel Gallagher | Oasis, Noel Gallagher's High Flying Birds |
| Josh Klinghoffer | Red Hot Chili Peppers (元), Dot Hacker |
| Taylor York | Paramore |
| Christian Savill | Slowdive |
| Billy Corgan | The Smashing Pumpkins |
ブルース / ソウル / ジャズ
| アーティスト名 | 主なジャンル |
| Joey Landreth | ブルース・ロック、ソウル |
| Matthew Stevens | ジャズ、インストゥルメンタル |
| Tim Pierce | スタジオミュージシャン |
インストゥルメンタル / アンビエント
| アーティスト名 | 主なジャンル |
| Tycho (Scott Hansen) | エレクトロニック、アンビエント |
| Los Hermanos Gutiérrez | ラテン・インストゥルメンタル |
| Mark Speer | Khruangbin |
ポップス / R&B / その他
| アーティスト名 | 主なジャンル |
| Tom Misch | ネオ・ソウル、R&B |
| Yvette Young | Covet (マスロック) |
| Rabea Massaad | プログレッシブ・メタル |
ライバル機との徹底比較分析:哲学の対立
vs BOSS RE-202 Space Echo:伝統的再現との比較
| 項目 | STRYMON DECO V2 | BOSS RE-202 |
| 価格帯 | ¥63,000前後 | ¥45,000前後 |
| 核となる機能 | テープサチュレーション & ダブルトラッキング | RE-201/301テープエコーの再現 |
| ディレイタイム | Max 500ms | Max 2000ms(デジタルディレイ含む) |
| 音色キャラクター | 汎用的なヴィンテージテープマシン全般 | Roland RE-201/301特化 |
| モジュレーション | ADT/Wobble(テープ劣化) | RE-201特有のワウ・フラッター |
| 付加機能 | Saturation(プリアンプ/オーバードライブ) | スプリングリバーブ、ツイスト機能 |
Decoは「テープマシンの機能と音の劣化の再現」というより「スタジオワークフローの抽象化」に焦点を当てています。RE-202が特定のモデルの完璧なシミュレーションを目指すのに対し、Decoは「テープサウンドの核となる要素(サチュレーションとモジュレーション)」を抜き出し、より自由度の高い音作りを提供します。
vs MXR Carbon Copy Deluxe:アナログディレイとの対決
| 項目 | STRYMON DECO V2 | MXR Carbon Copy Deluxe |
| 価格帯 | ¥63,000 | ¥46,000 |
| 回路方式 | デジタルDSP(高解像度アルゴリズム) | 100%アナログBBD素子 |
| 音色傾向 | ヴィーテージ・テープエコー(温かいがクリア) | ダーティで暗いアナログディレイ |
| モジュレーション | ピッチ可変のワウ・フラッター | BBD素子によるコーラス/ヴィブラート |
| ディレイ音 | 減衰時に高域が失われる特性 | 減衰時にさらに高域が失われ、暗くなる |
Carbon CopyはBBD素子という物理デバイスによる「暗く、ざらついたアナログの美学」を追求します。Deco V2は、デジタルでありながら「テープの磁気的な温もり」という、別種のアナログ感を追求しています。Decoのディレイ音は、アナログディレイ特有の「潰れた音」ではなく、あくまで「古くなったテープの音」であり、両者は全く異なる音響特性を持ちます。
まとめ:最高のヴィンテージフィーリングに酔いしれろ!
Strymon Deco V2は、「テープエコーのシミュレーター」という言葉では括れない、「ヴィンテージフィーリング」を現代に蘇らせた味の素的なツールです。
テープエコー(残響)とダブルトラッキング(空間)という二つの音響的柱を、磁気飽和(サチュレーション)の温もりという強固な土台の上で融合させ、現代のギタリストに最高のトーンテクスチャーを提供します。
- アナログの情緒をデジタルで再現: Deco V2が生み出すサウンドは、どこまでも有機的で、温かく、そしてロマンティックです。
- トーンの基盤としての価値: Saturationノブは、Decoをエフェクトではなく「プリアンプ」として機能させ、ボード全体のサウンドにプロフェッショナルな質感を付与します。
- 表現力の無限の拡張: MIDI、エクスプレッションペダル対応により、ライブパフォーマンスや複雑なセッションにおいて、想像を絶するダイナミックな音色変化を瞬時に実行できます。
これは懐古趣味ではなく、音楽の本質に触れる体験!
Abbey Roadで紡がれた革新的なサウンド、Sun Studioで生まれたロックンロールの原点、60年代サイケデリアの幻想的な音風景―それらすべてが、21世紀のテクノロジーによって蘇りました。
テープは回り続ける。そしてそのロマンスに溢れた音は、時代を超えて響き続けるのです。




