
「なんだこの音は...!良い音過ぎて、弾くのを止めることが出来ない...」
TONEKING(トーンキング)といえば、アメリカ・ボルチモアでマーク・バートマン氏によって設立された、ハイエンド・ブティックアンプの象徴的ブランド。その代表作である「Imperial MK II」のプリアンプセクションを、ペダルサイズに完全に落とし込んだのが、この「Imperial Preamp」です。
1950年代のツイード、1960年代のブラックフェイス―アメリカンヴィンテージアンプの遺伝子が、ペダルサイズの筐体から解き放たれる。3本の12AX7真空管が高電圧で駆動し、ピックアップとの対話を始める。これは「アンプシミュレーター」ではない。「本物のアンプそのもの」をペダルボードに移植した、もはや芸術品と言えるヴィンテージ系最高峰のプリアンプなのです。
使用レビュー:12AX7真空管の華やかでスウィートなトーン
このプリアンプの一番の魅力はなんと言っても、12AX7真空管が放つ、耳を愛撫するようなスウィートなトーンの極致です。
Rhythmチャンネルのクリーンは、朝露のように透き通った「ガラスのような煌めき」を持ちながら、その芯には真空管特有の芳醇な温かみが宿っています。音が減衰する間際まで続く有機的な倍音は、まさに芸術。一方、Leadチャンネルでは、中域が濃密に溶け出す「リキッド・ドライブ」へと変貌します。
驚くべきは、指先の繊細なタッチを「音の甘み」へと変換するレスポンスの速さ。軽く触れれば鈴鳴りのように、深く踏み込めば咽び泣くようなサステインへ。12AX7のポテンシャルを限界まで引き出したこのトーンは、一度触れると抗えない「甘い中毒性」を秘めています。まさにブティックアンプの魂が宿る、最高峰の体験です。
伝説的アンプ「Imperial MK II」の回路を極限まで再現
TONEKING Imperial Preampの最大の価値は、数々の賞を受賞した伝説的なアンプ「Imperial MK II」のトーンキャラクターを完璧に移植している点にあります。デジタルモデリングでは決して到達できない、アナログ回路特有の「奥行き」と「解像度」。
弦を弾いた瞬間のレスポンスの速さ、そして音が減衰していく際の倍音の混ざり方……。まるで目の前に本物の真空管アンプが鎮座しているかのような錯覚に陥ります。
独立した2チャンネル構成:RhythmとLeadの完璧な対比
このペダルは、キャラクターの異なる2つのチャンネルを完全に独立してコントロール可能です。
Rhythmチャンネルは、1960年代のBlackfaceアンプを彷彿とさせる、煌びやかでジューシーさ溢れるクリーントーン。
Leadチャンネルは、1950年代のTweedアンプのような、中域が豊かで粘りのあるドライブサウンド。
この2つの「アメリカン・ヴィンテージの両極」を、足元のフットスイッチひとつで行き来できる贅沢こそ、このペダルの真骨頂です。
革新的な「Mid-Bite」コントロールによるトーン造形
Leadチャンネルに搭載された「Mid-Bite」コントロール。これがTONEKINGの秘伝の回路です。
ノブを回すと、中域が増えるだけでなく、サウンド全体の「キャラクター」が変化します。低めに設定すれば、滑らかで歌うようなソロ・トーンに。高く設定すれば、現代的なロックにも対応できる、エッジの効いた攻撃的なディストーションへと変貌します。
驚異的なヘッドルームとダイナミクス
多くのプリアンプペダルが陥る「平坦な音」とは無縁です。TONEKING Imperial Preampは、内部で高電圧へと昇圧される設計により、実機アンプに匹敵するダイナミックレンジを確保しています。
ボリュームを絞れば鈴鳴りのようなクリーンに、強くピッキングすれば吼えるようなドライブに。プレイヤーの感情を、一滴も漏らさず音へと変換してくれます。
パワーアンプシミュレータ&キャビネットシミュレーター出力による実戦力
デフォルトで3種類がプリロード装備された「パワーアンプシミュレータ&キャビネットシミュレーター出力(IR)」。これにより、アンプを持ち込めない現場でも、ライン接続だけで極上のTONEKINGサウンドをPAやオーディオインターフェースに送ることができます。
このシミュレーターの精度が非常に高く、マイクを立てた時のような空気感と、スピーカーの箱鳴りを見事に再現しています。
※ペダル内に15種類のプロフェッショナルグレードImpulse Responseを搭載。Tone King純正1×12キャビネット、1963年製Celestion Blueを積んだVox AC30、バスケットウィーブ4×12など、厳選されたキャビネットサウンド。それぞれがShure SM57、Neumann U87、Royer 121といった名機マイクで、ヴィンテージAPI 312プリアンプを通して収録されています。
さらにSynergy製Tone King Editorソフトウェア経由で追加12種類のIRにアクセス可能。各チャンネルに3つのIRスロットを割り当て、3ウェイトグルスイッチで瞬時に切り替え。外部IRローダーを使いたい場合は、内蔵IR機能を完全にバイパスすることもできます。
ステレオコンボリューションリバーブとトレモロの魅力
Imperial MKIIアンプの象徴的機能である、スプリングリバーブとトレモロを搭載。ペダル版ではデジタル実装ながら、真空管駆動のステレオコンボリューションリバーブが、本物のスプリングユニットの複雑な残響特性を完璧に再現します。
ReverbとDwellコントロールで、50%以下では古典的なスプリングリバーブ、50%以上ではアンビエントな長い減衰へと変化。トレモロはDepthとSpeedで調整可能で、各チャンネルに独立してアサイン可能。フットスイッチでオン/オフを切り替えられます。
芸術品のようなビルドクオリティ
重厚感のあるアルミダイキャストの筐体に、1950年代のテレビを思わせるレトロフューチャーなデザイン。ノブの操作感からスイッチの踏み心地に至るまで、一切の妥協がありません。
「所有する喜び」を満たしてくれる、まさにプロフェッショナルのための道具です。
ヴィンテージアンプの振る舞いを完全に再現
アメリカン・トーンの黄金時代を現代へ
1950年代のTweedアンプと1960年代のBlackfaceアンプ。この2つはギターの歴史において最も重要なサウンドですが、両立させることは困難でした。TONEKINGは、これら「相反する美学」を一台のアンプで融合させることに成功した唯一無二のメーカーです。
Imperial Preampは、その哲学をそのまま引き継いでいます。懐古主義に陥るのではなく、ヴィンテージの「良さ」を現代のプレイアビリティで再解釈しているのです。
ペダルを超えた「プリアンプ」としてのプライド
多くのエフェクターが「アンプに色を付ける」役割なのに対し、これは「サウンドの核(心臓部)」になることを目的に設計されています。
パワーアンプの入力(リターン挿し)に直接繋いだとき、その真価は最大限に発揮されます。あなたの手持ちのアンプが、一瞬にして数十万クラスのブティックアンプへとアップグレードされる……そんな身震いするような体験が待っています。
正直、10万円クラスのプリアンプで、ここまで感動したことは無いレベル!
詳細スペック&ビジュアルインプレッション
基本仕様
| 項目 | 詳細 |
| 製品名 | TONEKING Imperial Preamp |
| タイプ | 2チャンネル・アナログ・プリアンプ |
| チャンネル | Rhythm (Clean) / Lead (Drive) |
| 電源 | 9V DC (センターマイナス) / 内部昇圧 |
| 入出力 | Input, Output, Cab Sim Out |
| 製造国 | USA (アメリカ合衆国) |
| 参考価格 | ¥130,000前後 |
外観の美学と直感的なインターフェース
TONEKING Imperial Preampのルックスは、まさに「ミッドセンチュリー・モダン」。パウダーグレーやクリーミーなホワイトを基調としたカラーリングは、ボードの中で一際異彩を放ちます。
ノブの配置も合理的で、上側がRhythm(Volume, Treble, Bass)、舌側がLead(Volume, Tone, Mid-Bite)と明確に分かれており、ライブ演奏中でも迷うことはありません。
中央のLEDは、チャンネルの状態を一瞬で判別できる視認性を備えています。
ジャンル別完全攻略セッティング集
ジャズ/フュージョン:クリスタル・クリーン
- Mode: Rhythm
- Volume: 10時
- Treble: 11時
- Bass: 1時
- 推奨楽曲: Wes Montgomery、Larry Carlton太く艶やかな低域と、耳に痛くない高域のバランス。ピッキングのニュアンスが音楽的に表現され、コードワークがより立体的に聴こえます。
カントリー/ロカビリー:ナッシュビル・トワング
- Mode: Rhythm
- Volume: 1時(わずかにプッシュ)
- Treble: 3時
- Bass: 10時
- 推奨楽曲: Brent Mason、The Shadowsテレキャスターのリアピックアップと組み合わせれば、あのパキパキとした「鳴り」が手に入ります。レスポンスが極めて速いため、チキン・ピッキングのキレが倍増します。
ブルースロック:スモーキー・ドライブ
- Mode: Lead
- Volume: 12時
- Tone: 11時
- Mid-Bite: 9時
- 推奨楽曲: Stevie Ray Vaughan、Joe BonamassaMid-Biteを抑えることで、Tweedアンプが飽和したような、温かく粘りのあるドライブが得られます。フロントピックアップでのソロ弾きに最適です。
ハードロック:モダン・テキサス・クランチ
- Mode: Lead
- Volume: 2時
- Tone: 2時
- Mid-Bite: 3時
- 推奨楽曲: ZZ Top、Gary Clark Jr.Mid-Biteを上げることで、サウンドに「噛みつき」が加わります。リフを弾けばザクザクとした心地よいエッジが立ち、バンドアンサンブルを突き抜けます。
知人プロが語る:TONEKING Imperial Preampの衝撃
スタジオミュージシャン S氏の証言
「これまで、数々のアンプシミュレーターを試してきましたが、Imperial Preampは別格です。何より『弾いていて楽しい』。デジタル機器にありがちなレイテンシーやフィルター感を感じさせず、右手のニュアンスがそのまま音になる。
最近はこれをボードに入れて、現場ではアンプのリターンに直挿ししています。どこに行っても『最高峰の音』が出せる安心感は、代えがたいものがありますね。」
レコーディングエンジニア T氏の体験談
「ライン録りでの音が驚くほど太い。Cab Sim Outの信号は、EQやコンプで補正する必要がほとんどないほど完成されています。特にRhythmチャンネルのクリーンの密度は、高級な真空管コンプレッサーを通したような安定感があります。
ミックスの中で他の楽器と被らず、それでいて確かな存在感を放つ。エンジニアとしても、非常に『扱いやすい』音ですね。」
ライバル機との徹底比較分析
vs Universal Audio Dream 65:デジタルとアナログの対決
| 項目 | TONEKING Imperial Preamp | UA Dream 65 |
|---|---|---|
| 価格 | ¥130,000前後 | ¥55,000前後 |
| 技術 | 真空管3本+アナログ | デジタルモデリング |
| チャンネル数 | 2種類 | 複数モデル |
| ダイナミックレンジ | 真空管由来の広大 | デジタル制限あり |
| タッチレスポンス | 完全アナログ | 非常に優秀 |
| 用途 | ヴィンテージトーン追求 | 汎用性重視 |
Dream 65はデジタル技術で複数のアンプをモデリングする優れた製品ですが、Imperial Preampは「本物の真空管」という物理的優位性を持ちます。ユーザーレビューでは「Dream 65を3/5点、Imperial Preampを4.5/5点」と評価する声もあり、音質面での差は明確です。
vs Strymon Iridium:ハイエンドペダル対決
| 項目 | TONEKING Imperial Preamp | Strymon Iridium |
|---|---|---|
| 価格 | ¥130,000前後 | ¥60,000前後 |
| プリアンプ | 真空管アナログ | デジタルモデリング |
| アンプモデル | Imperial MKII専用 | Fender/VOX/Marshall |
| エフェクト | リバーブ/トレモロ | ルームアンビエンス |
| MIDI | 128プリセット | 基本機能のみ |
Iridiumは3つの異なるアンプタイプをモデリングする汎用性がありますが、Imperial Preampは「Imperial MKIIというベンチマーク」に特化。真空管による有機的なタッチレスポンスは、デジタル処理では到達困難な領域です。
まとめ:現状、ヴィンテージ系プリアンプで最高品質!
3本の12AX7真空管が高電圧で駆動され、Imperial MKIIアンプの回路を完全再現。ゼロワットパワーアンプ技術によるパワーセクションのエミュレーション。RhythmとLeadという明確に異なる2つのチャンネル。15種類のプロフェッショナルIRと無限のカスタマイズ性。128のMIDIプリセットによる圧倒的な管理能力。
「1950年代ツイードから1960年代ブラックフェイスまで」、一台で網羅できる歴史的トーンの再現性。「XLR直結からアンプフロント接続、3ケーブルメソッドまで」、あらゆるセットアップに対応する柔軟性。
確かに¥130,000前後という価格は高価です。しかし、ブティック真空管アンプ、キャビネット、マイク、IRローダーのすべてを一台で置き換える価値を考えれば、むしろコストパフォーマンスに優れています。
1950年〜1960代のブルースクラブに響いたヴィンテージアンプの咆哮を、ぜひあなたの手でも蘇らせてください!



