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Empress Effects「ParaEQ MKII Deluxe」レビュー:サウンドを「格上げ」

Empress Effects ParaEQ MKII Deluxe のイメージ画像

エフェクターボードに並ぶ色彩豊かな自慢のペダルたち。歪み、空間系、モジュレーション……。
しかし、そのすべてのポテンシャルを120%引き出し、サウンドの「格」を決定づける存在があるとしたら?

Empress Effects ParaEQ MKII Deluxeを接続したら、みなさんの視界は一気に開けるかもしれません。これまで「なんとなく」で調整していたギターの帯域が、まるで高解像度なモニターを見ているかのように鮮明に、かつ意図した通りに輪郭を変えていく。その体験は、補正を超えた「音の再定義」。

カナダが誇る天才エンジニア集団、Empress Effects。彼らが10年以上にわたり業界標準として君臨したParaEQを、現代の技術で究極までブラッシュアップしたのがこの「ParaEQ MKII Deluxe」です。

この一台には、スタジオクオリティのアウトボードに匹敵する「音響工学の粋」が凝縮されています!

使用レビュー:パライコでここまで感動したのは初めて

パライコでここまで感動したのは、正直初めてです。

これまでEQ関係は「音を補正する道具」という認識でしたが、ParaEQ MKII Deluxeを繋いだ瞬間、その概念が根底から覆されます。ノブを回すと、まるで2Dが3Dになるようにギターの輪郭が浮き彫りになり、眠っていた楽器のポテンシャルが強制的に呼び起こされる感覚!

特筆すべきは、28Vの内部昇圧による圧倒的な「音の速さ」と「余裕感」です。
どんなに大胆にブーストしても、アナログ特有の艶やかさを保ったまま、一切の濁りなく音が前に飛んでくる。狙った帯域をピンポイントで抉り取る精密さ。一度この快感を知ってしまうと、もうこれ無しのボードは考えられなくなるでしょう。

内部昇圧28Vによる圧倒的なヘッドルーム

ParaEQ MKII Deluxeの心臓部は、標準的な9V入力を内部で28Vまで昇圧する回路にあります。これにより、アクティブピックアップの強大な出力や、前段のブースターによる過大入力も一切歪ませることなく、クリスタルのような透明度を保ったまま処理します。

デジタルシミュレーションでは決して到達できない、アナログ回路特有の「深み」と「余裕」。これが、どんなに過激なブーストを施しても音が破綻しない理由です。

音楽的なカラーを損なわずに、潤いをプラス

EQペダルにありがちな「通しただけで音が痩せる」「独特の癖がつく」といった悩み。ParaEQ MKII Deluxeには無縁の話です。歪率は0.03%以下、S/N比は107dBという驚異的なスペックを誇り、エフェクトをオンにした瞬間、むしろ「楽器本来の音が潤う」ような感覚さえ覚えます。

音を変えるための道具でありながら、音を壊さない。このパラドックスを完璧に解決しているのが、Empressの設計哲学です。

直感性と精密さを両立した3バンド・パラメトリックEQ

グライコよりも、圧倒的にトーンシェイピングを追い込める。

Low、Mid、Highの3つの帯域において、周波数(Frequency)、増幅/減衰(Gain)、そしてDeluxe版の真骨頂であるQ(帯域幅)を独立してコントロール可能。

「特定の嫌なピークだけをピンポイントで削る」ことも、「特定の帯域を広範囲に持ち上げてキャラクターを作る」ことも自由自在。Qコントロールが連続可変になったことで、微細なニュアンスの微調整が劇的に容易になりました。

固定された帯域を動かすグライコとは違い、ParaEQ MKII Deluxeは「欲しい場所」へ自由に手を伸ばせます。耳障りなピークをピンポイントで消し去り、煌びやかなプレゼンスだけを自在に引き出す——。その自由度は、まさに音の彫刻。

一見難しそうですが、操作は驚くほどシンプルです。周波数を選び、幅を決め、削るか盛るか。たったそれだけで、理想のトーンへ最短距離で到達できる。理屈を超えた直感的な使い心地に、誰もが驚くはずです。

音作りを完結させるハイパス&ローパスフィルター

Deluxeモデルにのみ搭載された、12dB/octのハイパス・フィルター(HPF)とローパス・フィルター(LPF)。これがボードにある恩恵は計り知れません。

ステージで回り込む低域をカットしてタイトに仕上げたり、耳に刺さる高域を優しくロールオフさせたり。パラメトリックEQで「攻め」の音作りをし、フィルターで「守り」の土台を作る。この二段構えが、プロフェッショナルなサウンドの秘訣です。

最大30dBの独立したクリーンブースト

本体左側のフットスイッチで起動するブースト機能は、最大+30dBという驚異的な増幅量を持ちます。これは単なる音量アップではなく、音の密度を一段階引き上げる「覚醒スイッチ」です。

ソロでの音量稼ぎはもちろん、真空管アンプを強力にプッシュして極上のドライブを引き出す際にも、ノイズレスなブーストが威力を発揮します。EQセクションとは独立して動作するため、ブースター単体としての運用も可能です。

7. コンパクトさと堅牢性の融合

旧モデルから大幅に小型化され、一般的なエフェクターサイズに収まりました。トップマウントジャックの採用により、過密なペダルボードでもスペースを無駄にしません。

カナダの自社工場で一台ずつ丁寧に組み上げられたアルミニウム製の筐体は、過酷なツアーにも耐えうる圧倒的な信頼性をユーザーに提供します。

スタジオクオリティのDNAを受け継ぐ設計思想

楽器の「声」を形作るパラメトリックEQの魔法

グラフィックEQ(グライコ)が「面」で音を捉えるなら、パラメトリックEQ(パライコ)は「点」で音を捉えます。ギタリストが本当に解消したいのは「特定の周波数にある籠もり」や「特定の帯域にある耳障りな成分」です。

ParaEQ MKII Deluxeは、その「点」を探し出し、自在に加工することを可能にします。これにより、アンプやギターを買い替えずとも、機材のポテンシャルを最大限に引き出すことができるのです。

「Deluxe」という称号が意味するもの

通常モデルとの最大の違いは、Qコントロールが3段階のスイッチではなく「連続可変ノブ」であること、そしてフィルターセクションの有無です。

「あとほんの少しだけQを広くしたい」というエンジニアリング的な要求に応えられるのはDeluxeだけ。これは単なる上位機種ではなく、音に対する妥協を一切排除した「完成形」なのです。

詳細スペック&ビジュアルインプレッション

基本仕様

項目詳細
製品名Empress Effects ParaEQ MKII Deluxe
タイプアナログ・パラメトリックEQ / フィルター / ブースト
入力インピーダンス1MΩ
出力インピーダンス100Ω
周波数特性10Hz - 50kHz (-3dB)
消費電流約300mA
電源9V DC(センターマイナス)
参考価格¥60,000前後

機能美の極致

マットなスカイブルーの塗装に、精緻に刻まれたホワイトのレタリング。ノブの回転抵抗は非常に滑らかでありながら、ステージでの誤操作を防ぐ適度な重みがあります。

各セクション(Low, Mid, High)ごとに分割された視認性の高いレイアウトは、暗いステージ上でも「今どこを触っているか」を瞬時に判断させてくれます。また、フットスイッチのクリック感も高級感があり、踏み込むたびに「音を支配している」という確信を与えてくれます。

音響分析:3バンドEQの周波数領域

ParaEQ MKII Deluxeは、ギターやベースの主要な帯域を完璧にカバーしています。

  • Low Section (35Hz - 500Hz): キックドラムとの被りを整理したり、低域の「押し」を調整。
  • Mid Section (250Hz - 5kHz): ギターのキャラクターを決定づける最重要ポイント。鼻に突く音をカットし、抜けを改善。
  • High Section (1kHz - 20kHz): プレゼンス成分をコントロールし、空気感やエッジを付加。

シチュエーション別完全攻略セッティング集

「抜け」の改善:アンサンブルに埋もれないトーン

設定:

  • Mid Frequency: 800Hz~1.2kHz
  • Mid Gain: +4dB
  • Mid Q: 2時方向(やや狭め)
  • HPF: 100Hz

    ギターの美味しい中音域をピンポイントで持ち上げつつ、低域の不要な溜まりをHPFでカット。バンド全体の中で、ギターが「自分の場所」をしっかり確保できるようになります。

アコギのハウリング対策:ノッチフィルターとしての活用

設定:

  • Mid Frequency: ハウリングしているポイントに合わせる
  • Mid Gain: -15dB(最大カット)
  • Mid Q: 最大(右に回し切る)

    アコースティックギターのライブで発生する特定の周波数の共鳴を、ピンポイントで撃退。Qを狭く設定することで、音色への影響を最小限に抑えつつ、問題の音だけを消し去ります。

ジャズトーン:ウォームで深みのある響き

設定:

  • High Shelf: -3dB
  • LPF: 5kHz
  • Low Gain: +2dB

    高域の硬さをLPFで優しく削り、低域にわずかな厚みを加えます。フルアコのような豊かなボディ鳴りを、ソリッドギターでもシミュレート可能です。

モダン・メタル:攻撃的なスクープサウンド

設定:

  • Mid Frequency: 500Hz
  • Mid Gain: -6dB
  • Mid Q: 10時方向(広め)
  • Low Shelf: +4dB

    中域を広めにカットしつつ、低域をシェルフでブースト。歪みのエッジが際立ち、重厚かつキレのある「ドンシャリ」サウンドを高い解像度で実現します。

現役プロが語る:ParaEQ MKII Deluxeの使用感

スタジオミュージシャン S氏の証言

「これまで多くのEQペダルを試してきましたが、ParaEQ MKII Deluxeは別格です。感動なのは『Qコントロール』の精度。

セッション現場で『もう少しだけ、この辺のモコモコした成分を……』という抽象的な要求に対し、数学的な正確さで応えられます。これを持っていない現場は、もはや考えられません。」

ツアリングエンジニア K氏の体験談

「会場ごとに変わるアンプの特性や、部屋の鳴り。それらを補正する最終的な『マスターEQ』として重宝しています。

特にHPFとLPFがDeluxeに搭載されたのは大きい。どんなに劣悪な音響環境でも、足元でスタジオクオリティの音に立て直せる。これこそが最強の保険です。」

ライバル機との徹底比較分析

vs BOSS EQ-200:デジタル多機能とアナログ純度の対決

項目Empress Effects ParaEQ MKII DeluxeBOSS EQ-200
回路方式完全アナログデジタル(32bit浮動小数点処理)
操作性パラメトリック(周波数を自由に走査)グラフィック(固定10バンド)
プリセットなし(ノブ位置がすべて)128メモリー(MIDI対応)
ヘッドルーム28V内部昇圧(圧倒的な余裕)標準的なデジタル処理
音質傾向スタジオクオリティの透明感と温かみ高機能だが、僅かなデジタル臭

結論: メモリー機能やMIDI制御を重視し、ライブ中に複数の設定を切り替えたいならBOSS EQ-200が有利です。しかし、楽器本来のトーンを一切損なわず、アナログ回路による「究極の解像度」を求めるなら、Empress以外に選択肢はありません。

vs Source Audio EQ2:ハイテクEQとの比較

項目Empress Effects ParaEQ MKII DeluxeSource Audio EQ2
インターフェース全ノブが表面に露出(即応性)1つのノブ+アプリ連携(複雑)
Q(帯域幅)設定無段階可変(Deluxeのみ)数値指定(Neuroアプリ経由)
フィルター機能HPF/LPF/Shelvingをノブで操作デジタルフィルター内蔵
ノイズ性能S/N比 107dB(驚異的な静寂)S/N比 110dB(非常に優秀)

結論: Source Audio EQ2は、チューナー内蔵やアプリ連携など「現代のガジェット」としての完成度は高いですが、現場で「あと1dBだけ1kHzを削りたい」と思った瞬間のスピード感ではEmpressが圧勝します。Empressは「触れば音が変わる」という直感的な信頼感において、エンジニアの道具としての風格を持っています。

まとめ:あなたのトーンに「映え」という魔法を。

SNSや配信で耳にする「一瞬で惹きつけられるサウンド」には、共通して圧倒的な解像度と絶妙な帯域整理が存在します。
Empress Effects ParaEQ MKII Deluxeは、まさにその「映え」を足元で作り出す最強デバイスです。

不要なローカットによるタイトな質感、中域の絶妙なスクープが生むモダンな艶、そしてハイパスフィルターがもたらす空気感。これらを緻密に追い込むことで、スマホのスピーカー越しでもはっきりと違いが分かる「格上のトーン」へと進化します。

加工感のない自然な響きでありながら、聴き手の耳にダイレクトに刺さる華やかさを手に入れる。ParaEQ MKII Deluxeは、現代のギタリストが求める「最上級のサウンド・ポートレート」を完成させるための、最後にして最強のピースなのです。

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