
1960年代後半から70年代にかけて世界中のロックシーンを揺るがした、直球ストレートで放たれる圧倒的な音圧と、煌びやかでありながら野太い高域の伸び。
マーシャルの本質=プレキシという方程式は現代でも薄れていないどころか、再評価されまくっている印象ですよね。
これほどまでに世代を超えて、憧れの連鎖が指数関数的に伸び続けているアンプはプレキシくらいじゃないでしょうか?
デンマークが誇る孤高のエフェクトブランド、CARL MARTINのフラッグシップモデルである「PlexiTone」のハイゲイン・チャンネルを、使い勝手の良いシングルサイズに凝縮したのが、この「PLEXITONE SINGLE CHANNEL」です。
使用レビュー:ジューシーなつゆだく感が凄まじい
このペダルを一言で表すなら、スタックアンプの鳴りを一滴残らず抽出した「プレキシの濃縮還元」です。
歪みの深さの話ではなく、音の隙間から溢れ出す圧倒的な「つゆだく感」。ピッキングした瞬間に、真空管が悲鳴を上げるような瑞々しい倍音と、内部昇圧が生み出す粘り強いコンプレッションが絡み合い、極上のジューシーさを放ちます。
手元のボリュームを絞れば、出汁の効いたクランチへ。フルテンにすれば、身震いするような音圧が襲いかかる。この有機的な弾力と、高域の煌めきは、まさに「スタックアンプを掌で転がす」快感。一度踏めば、その喉越しの良さに病みつきになること間違いなしです。
巨大なオリジナルを凌駕する「濃縮された音密度」
元祖PlexiToneは、3つのフットスイッチを備えた巨大なペダルでしたが、このシングルチャンネル版はその「High Gain」モードの核となる部分を抽出。驚くべきは、サイズダウンによる音質の劣化が一切ないことです。
むしろ、内部回路の最適化により、音の密度とピッキングに対するレスポンスはより現代的で洗練された印象を受けます。小型化したことでボードへの組み込みが容易になり、実戦での戦闘力が飛躍的に向上しました。
「Plexi」の定義を再定義する高域の煌めき
多くのプレキシ系ペダルが「単に歪むだけ」なのに対し、PLEXITONEはアンプのパワー管が飽和した際に発生する特有の「プレゼンス域の輝き」を完璧に捉えています。
耳に刺さる嫌な高音ではなく、音が壁を突き抜けてくるような透明感のある高域。強烈なのに上品。これがカールマーティン独自の回路設計によるもので、アンサンブルの中でもギターの存在感を一切失わせません。
DC/DCコンバーターによる「内部高電圧駆動」の魔法
通常、9Vの電源供給であっても、このペダルは内部で電圧を昇圧させています。これにより、一般的なペダルでは到底不可能な「広いヘッドルーム」と「圧倒的なダイナミックレンジ」を実現。
ギターのボリュームを絞れば、まるで高級真空管アンプのように鈴鳴りのクリーン〜クランチへと滑らかに変化します。この「手元のニュアンスへの追従性」こそが、プロがこのペダルを手放せない最大の理由です。
圧倒的なサステインとクリーミーな倍音構成
リードプレイにおいて、PLEXITONEは魔法のようなサステインを提供します。Gainを上げていくと、音がどこまでも伸びていくような感覚。しかもその歪みは非常にキメが細かく、複雑な倍音が絡み合っています。
単音で弾いても音が細くならず、コードを弾けば各弦の分離感がしっかりと残る。このバランスの良さは、数多あるオーバードライブペダルの中でも群を抜いています。
デンマーク・デザインの堅牢性と信頼性
北欧らしい洗練されたデザインでありながら、プロの過酷なツアーに耐えうる堅牢な筐体。スイッチの踏み心地一つとっても、他社ペダルとは一線を画す「道具としての信頼感」があります。
長く使い込むほどに愛着が湧く、まさに一生モノのギアと言えるでしょう。
ヴィンテージのPlexiをフルアップさせたい?

黄金時代のトーンを現代の技術で解釈
1960年代、マーシャルに代表される英国製アンプが生み出したサウンドは、ロックの歴史そのものでした。しかし、本物のヴィンテージ・アンプをフルアップして鳴らすことは、現代の環境では困難を極めます。
CARL MARTINは、その「フルアップした時の感動」を、どんな音量でも、どんな場所でも再現することを目指しました。
「エミュレーション」ではなく「本質の抽出」
PLEXITONEは、特定のアンプの回路をそのままコピーしたものではありません。ギタリストが「Plexiサウンド」と聞いて思い浮かべる、あの心地よいコンプレッション感、中域の粘り、そして鋭いレスポンス。それらの「音楽的要素」を回路レベルで再構築しています。
詳細スペック&ビジュアルインプレッション
基本仕様
| 項目 | 詳細 |
| 製品名 | CARL MARTIN PLEXITONE SINGLE CHANNEL |
| タイプ | ディストーション(プレキシ・エミュレーター) |
| 電源 | 9V DC(センターマイナス / 内部昇圧) |
| 寸法 | 112(W) x 72(D) x 57(H) mm |
| 重量 | 約280g |
| 製造国 | デンマーク |
| 参考価格 | ¥20,000前後 |
機能美に溢れたコントロール
外観はシンプルそのもの。しかし、その3つのノブ(LEVEL, DRIVE, TONE)には計算し尽くされた可変幅が持たされています。
- LEVEL: 単なる音量調節を超え、後段のアンプをプッシュするための十分な出力を備えています。
- DRIVE: 軽いクランチから、ハードロック黄金時代のハイゲインまでシームレスに変化。
- TONE: 高域のキャラクターを決定づける重要なセクション。時計回りに回すと、Plexi特有の鋭いプレゼンスが強調されます。
PLEXITONE :主な使用アーティスト
Pete Thorn(ピート・ソーン)
- 詳細: 「YouTube界のトーン・キング」ことピート・ソーンは、このSINGLE CHANNELの開発に深く関わっています。オリジナルのPlexiToneを長年愛用していた彼が、よりボードに入れやすく、かつ低域をタイトにした「現代の決定版」として共同開発したのが本機です。
Greg Howe(グレッグ・ハウ)
- 詳細: 超絶技巧で知られるフュージョン/ロックギタリスト。彼はPlexiToneのサウンドを非常に気に入り、後に自身のシグネチャーモデル「Greg Howe's Lick Box」が作られるきっかけとなりました。その歪みの核はPlexiToneにあります。
Johnny Marr(ジョニー・マー / The Smiths)
- 詳細: ザ・スミスのレジェンド。クリーン〜クランチのイメージが強い彼ですが、ライブでの力強いドライブサウンドの補完としてPlexiToneシリーズがボードに組み込まれていることが確認されています。
Gem Archer(ゲム・アーチャー / Oasis, Beady Eye)
- 詳細: オアシス、そしてリアム・ギャラガーとの活動で知られるゲム。ブリティッシュ・ロックの王道を征く彼のボードにおいて、まさに「マーシャル・スタックの代わり」として長年信頼を置かれています。
5. Adrian Vandenberg(エイドリアン・ヴァンデンバーグ / Whitesnake)
- 詳細: 80年代ハードロックの象徴的ギタリスト。Whitesnake時代のような、分厚く滑らかなハイゲイン・サウンドを求める彼にとって、PlexiToneの解像度の高さは欠かせない要素です。
Michael Thompson(マイケル・トンプソン)
- 詳細: 世界最高峰のセッションギタリスト。彼のような耳の肥えたプロが、タッチレスポンスと倍音構成を絶賛している事実は、このペダルの品質を何よりも雄弁に物語っています。
Reeves Gabrels(リーヴス・ガブレルス / David Bowie, The Cure)
- 詳細: デヴィッド・ボウイの右腕として活躍した奇才。実験的かつ過激なサウンドを求める彼が、その歪みの基盤(背骨)として選んでいるのがこのシリーズです。
ジャンル別完全攻略セッティング集
70's ハードロック:黄金のスタックサウンド
設定:
- DRIVE: 1時
- TONE: 12時
- LEVEL: 11時
推奨楽曲:Led Zeppelin「Whole Lotta Love」, AC/DC「Back In Black」
最もPLEXITONEらしい設定です。厚みのあるローミッドと、ピッキングに合わせて噛み付くような高域のレスポンスが、リフに魂を吹き込みます。
80's LAメタル:煌びやかなブラウンサウンド
設定:
- DRIVE: 3時
- TONE: 2時
- LEVEL: 10時
推奨楽曲:Van Halen「Eruption」, Ratt「Round and Round」
DRIVEとTONEを上げることで、豊かな倍音と鋭いアタックが共存。ライトハンド奏法や速弾きでも音が埋もれず、華やかなリードトーンを演出します。
ブルース・ロック:粘りのあるクランチ
設定:
- DRIVE: 9時
- TONE: 10時
- LEVEL: 1時
推奨楽曲:Free「All Right Now」, Eric Clapton「Cocaine」
DRIVEを絞り、LEVELを上げることで、アンプを軽くプッシュしたような太いクランチが得られます。ギターのボリューム操作に敏感に反応するため、表情豊かなプレイが可能です。
知人プロが語る:PLEXITONEの特性

セッションギタリスト S氏の証言
「仕事柄、現場によってアンプがバラバラなのですが、PLEXITONE SINGLE CHANNELは僕の最強の相方です。
どんなアンプに繋いでも、一瞬で耳馴染みのある『あの音』にしてくれる。特にTONEの効きが音楽的で、会場の響きに合わせて微調整するのがすごく楽ですね。シングルコイルでも音が細くならないのが本当に優秀です。」
ギター講師 K氏の体験談
「生徒によく『良い歪みって何ですか?』と聞かれるんですが、その答えの一つがこれです。
弾いた瞬間のアタックの出方、音が消えていく時の自然な減衰。これらを学ぶには最高のペダルです。ハイゲインなのに、自分のミスも正直に出る。でも、上手く弾けた時の快感は他のペダルでは味わえません。」
ライバル機との徹底比較分析
| 項目 | PLEXITONE SINGLE | Xotic SL Drive | JHS Angry Charlie V3 |
| サウンドの核 | 王道Plexi / Hi-Fi | 1959 Plexi / Vintage | JCM800系 / Mod |
| 歪みの幅 | クランチ〜ハイゲイン | クランチ〜オーバードライブ | ハイゲイン特化 |
| 解像度 | 極めて高い | 中程度(温かみ重視) | 高い |
| 電源 | 9V(内部昇圧) | 9V〜18V | 9V |
まとめ:プレキシ系ペダルの中で最もウエッティー
数あるプレキシ系ペダルの中で、これほどまでに「ウエッティー」な質感を湛えた一台は他にありません。
乾いた砂のような歪みとは無縁。PLEXITONE SINGLE CHANNELから放たれるのは、まるで真空管が汗をかいているかのような、瑞々しく艶やかなトーンです。内部昇圧が生み出す圧倒的なヘッドルームにより、音の芯には常にたっぷりと潤いを含んだ倍音が宿っています。
高域は鋭くも耳に心地よく、低域は深く沈み込みながらも決して濁らない。
乾燥した音を瞬時に色気ある「濡れ色」へ変貌させる。この唯一無二のウエッティーな響きこそが、世界中のギタリストが本機を「究極の選択」として挙げる真の理由なのです。
特に、ストラトとの相性は文句無しに完璧!



