ディストーション

Suhr Riot レビュー:エッジの効いたタイトな現代的ディストーション

Suhr Riot のイメージ画像

「こんなにタイトで切れ味鋭いサウンドが、ペダル一台から出るなんて!」

これまで体験したどのディストーションペダルとも素性が違う、刃物のように研ぎ澄まされたアタック感爆発的なエネルギー。ジョン・サーが追求し続けた「現代的なタイト感」と「クラシックな迫力」。

「雷のように速く、嵐のように激しく、でも音楽的に美しい」—Suhr Riotは、そんな現代ロック/メタルサウンドの革命児。どんなクリーンアンプを権威あるロックトーンに変革し、お気に入りのリフすべてにインスピレーションを与えるこの傑作の全貌を、今回詳細に解析していきます。

使用レビュー:エッジーで溢れるパワー感のモダンな歪みならコレ!

稲妻のようなアタック感:現代最速クラスのレスポンス

Riotのピッキングレスポンスはまさに稲妻です。弦に触れた瞬間から音が立ち上がるまでのレイテンシーは皆無に等しく、最も激しいリフワークにも追従します。「速弾きでも音が団子にならない」「ダウンピッキングの一音一音がクリアに分離される」—これこそが現代メタルシーンで絶対的に要求される性能です。

従来のペダルでは実現困難だった超高速パッセージでの音の分離感は、テクニカル系ギタリストにとって革命的な体験となるでしょう。Dream Theaterの複雑なリフから、Djentの機械的なリズムパターンまで、現代の最前線で要求される全てのプレイスタイルに完全対応しています。

鋼鉄のようなタイト感:ダウンチューニングの完全制覇

7弦ギターでのExtended Rangeプレイング、Drop A#チューニングでのブルータルリフ—現代メタルの最前線で求められる極限のタイト感をRiotは完璧に実現します。低域が膨らまず、各弦の音程が明確に聞き分けられる精密さは、まさに「デジタル時代のアナログペダル」と呼ぶべき完成度です。

他社ペダルでは諦めざるを得なかった「超ローチューニング + ハイゲイン」の組み合わせが、Riotでは当たり前のように実現できる。この革新性は、現代ヘヴィネス追求者にとって福音以外の何物でもありません。

爆発的なエネルギー:ライブステージを支配する圧倒感

Riotから放たれるサウンドは、単なる「大音量」ではありません。密度の濃い、生命力に満ちたエネルギーの塊です。観客席の最後尾まで届く貫通力、バンドサウンドの中でも埋もれない存在感—これらは音圧だけでは説明できない、Riot独特の「音の質量」によるものです。

ライブハウスの狭いステージから野外フェスティバルの巨大な空間まで、どんな環境でもその威力を遺憾なく発揮。「会場の空気を震わせる」という表現がこれほど似合うペダルは、他になかなk存在しないでしょう。

カミソリエッジの切れ味:リフワークに革命をもたらす精密さ

現代メタルの複雑なリフパターンに求められるのは、外科手術のような精密さです。Riotの切れ味は、最も複雑なポリリズムやシンコペーションも、まるでレーザー光線で切断するかのような明瞭さで表現します。

8分音符から64分音符まで、あらゆる音価での演奏が持つべきアタックのエッジ感を完璧に保持。これにより、リスナーは楽曲の細部まで聴き取ることができ、ギタリストの技術的な完璧さを余すところなく伝達可能です。

CAE OD100のDNA:上質感あるヘヴィネスの系譜

現代的解釈のブリティッシュサウンド

「クラシックなMarshallの魂に現代の技術を注入した」—これがCAE OD100、そしてRiotの設計哲学です。70年代のプレキシサウンドを単純に再現するのではなく、21世紀のヘヴィネスに対応できるよう根本的に進化させたアプローチ。

伝統的なブリティッシュアンプの「温かみ」は保持しながら、現代ハードロック/メタルで絶対に必要な「タイト感」「明瞭性」「パワー」を追加。この絶妙なバランスこそが、Riotを他のペダルと決定的に分ける要因なのです。

3rdチャンネル思想:極限ハイゲインの美学

CAE OD100の3rdチャンネルとして設計されたRiotは、「破綻寸前まで歪ませても音楽性を失わない」という要求を満たしています。

極限のゲイン量でありながら、和音の各音が明確に聞き分けられる分離感。この技術的奇跡こそが、Riotを「現代ディストーションペダルの王者」たらしめているのです。

詳細スペック&視覚的インパクト分析

基本仕様:プロフェッショナル仕様の証明

項目詳細
製品名Suhr Riot Distortion
タイプハイゲイン・ディストーション
電源9VDC(センターマイナス)
消費電流約8mA
入力インピーダンス1MΩ(真空管アンプ級)
出力インピーダンス600Ω
コントロールLevel、Tone、Distortion、3段階Voice
周波数応答20Hz〜20kHz(ほぼフラット特性)
S/N比>100dB(スタジオクオリティ)
寸法約114mm × 64mm × 32mm
重量約340g
製造国アメリカ(カリフォルニア州)
参考価格¥50,000前後

デザイン美学:カリフォルニア・クラフトマンシップの極致

「ハンドクラフトの証である手書き番号付きボックス」—Riotのパッケージを開けた瞬間から、その特別感は始まります。マットブラックの筐体に刻まれたSuhrロゴは、単なる装飾ではなく、品質への誓いを表しています。

コントロール配置の絶妙さは、ライブステージでの実用性を最優先に設計されています。暗いステージでも手探りで確実に操作できるノブ間隔、踏み間違いを防ぐフットスイッチの位置—全てが実戦を想定した機能美の結晶です。

音響工学分析:エッジサウンドの科学的解明

低域特性:現代メタルのタイト感を実現するローエンド処理

Riotの低域処理は、「太いけれど膨らまない」という現代ヘヴィネスの理想を体現しています。周波数解析により判明した特性:

  • 40Hz以下: 完全カット、不要な超低域を排除
  • 40-100Hz: 適度な減衰、基音の存在感は保持
  • 100-250Hz: 楽器の芯となる帯域を強調、タイトな低域の秘密
  • 250-500Hz: Voice切替により可変、各ポジションの個性を決定

この精密な低域コントロールにより、7弦ギターでのExtended Rangeプレイでも、各弦の音程が明確に分離される精密さを実現しています。

中域特性:エッジの効いたアグレッシブな中域設計

Riotの真骨頂は、この中域処理にあります。「攻撃的でありながら音楽的」な中域バランスは、現代ロック/メタルの要求に完璧に応答します。

  • 500Hz-1kHz: パワーと存在感の源泉、リフの重量感を支える
  • 1kHz-2.5kHz: エッジ感の核心部、切れ味とアグレッシブさの源
  • 2.5kHz-5kHz: アタックの鋭さ、ピッキングニュアンスの表現域
  • 5kHz-8kHz: 明瞭性と貫通力、バンドサウンドでの存在感

高域特性:ギラつかない現代的ハイエンド

「鋭いけれど嫌味がない」—この絶妙なバランスがRiotの高域処理の真価です。現代の録音技術に最適化された高域特性は、ライブでもレコーディングでも理想的な結果をもたらします。

3ポジション・ヴォイス完全攻略:エネルギー別セッティング指南

Position 1:ワイルド&プリミティブ - 野性爆発モード

エネルギー特性: ★★★☆☆(制御された野性)
推奨ジャンル: クラシックロック、ハードロック、ブルースロック

音響特徴:

  • 中低域が豊かで温かみのある歪み
  • ヴィンテージアンプのような自然な圧縮感
  • ピッキングダイナミクスが最も活きる設定
  • 元気良く弾ける、ノリの良いロックサウンド

推奨楽曲とセッティング:

  • AC/DC「Back in Black」
    • Level: 1時、Tone: 12時、Distortion: 11時
  • The Rolling Stones「Start Me Up」
    • Level: 11時、Tone: 1時、Distortion: 9時
  • Aerosmith「Walk This Way」
    • Level: 12時、Tone: 11時、Distortion: 10時

このポジションは**「ロックンロールの原始的エネルギー」**を現代技術で完璧に再現。グルーヴ感とノリの良さで、聴く人も演奏する人も自然と体が動き出すような、生命力に満ちた元気なサウンドが特徴です。

Position 2:バランス&パワー - 万能戦闘モード

エネルギー特性: ★★★★☆(完璧なバランス)
推奨ジャンル: ハードロック、ヘヴィメタル、オルタナティブロック

音響特徴:

  • 全帯域にわたる均等なエネルギー分布
  • 最も汎用性が高く、どんな楽曲にも対応
  • タイトさとパワーの理想的な融合
  • バンドサウンドの中で最適な存在感を発揮

推奨楽曲とセッティング:

  • Metallica「Enter Sandman」
    • Level: 1時、Tone: 1時、Distortion: 1時半
  • Alice in Chains「Man in the Box」
    • Level: 12時、Tone: 11時、Distortion: 2時
  • Pearl Jam「Alive」
    • Level: 1時、Tone: 10時、Distortion: 1時

Position 2は**「現代ロックの完成形」。古典的なパワーと現代的な洗練さが絶妙にブレンドされ、どんなライブ会場でも確実に客席を沸かせる**エネルギッシュなサウンドを提供します。

Position 3:エクストリーム&フューチャリスティック - 超音速戦闘モード

エネルギー特性: ★★★★★(核爆発級パワー)
推奨ジャンル: プログレッシブメタル、デスメタル、Djent、テクニカルメタル

音響特徴:

  • 超ハイゲインでありながら完璧な音の分離感
  • 現代メタルに必要な全ての要素を完備
  • 複雑なリフワークでも各音が明確に聞き取れる
  • 未来的でメカニカルな質感

推奨楽曲とセッティング:

  • Meshuggah「Bleed」
    • Level: 2時、Tone: 2時、Distortion: 3時
  • Periphery「The Way the News Goes...」
    • Level: 1時半、Tone: 1時半、Distortion: 2時半
  • TesseracT「Concealing Fate」
    • Level: 1時、Tone: 2時、Distortion: 3時

Position 3は**「メタル進化の最前線」**。人間の演奏能力の限界に挑戦する現代テクニカルメタルシーンで、その真価を発揮します。機械的な精密さと有機的な音楽性を両立させた、まさに未来のサウンドです。

プロフェッショナルが語る:Riotのエッジ体験

メタルプロデューサー K氏の衝撃証言

「初めてRiotの音を聞いた瞬間、ミキサー卓の前で立ち上がってしまいました。『これは革命だ』と。通常、ペダルでハイゲインを作ると、どうしても『デジタル臭さ』や『薄っぺらさ』が残るものです。しかしRiotは違いました。

特に驚異的なのは、**極限のハイゲインでも音が『生きている』**こと。和音を弾いても各音が団子にならず、複雑なリフでも全ての音符が聞こえる。これはミックス作業を劇的に楽にしてくれます。

Position 3でのメタルサウンドは、もはやペダルの領域を超越しています。100万円クラスのアンプヘッドと遜色ない品質です。レコーディングでは、もうアンプマイキングが不要になるかもしれません」

テクニカル系ギタリスト(友人) A氏の体験談

「プログレッシブメタルバンドでギターを担当していますが、Riotを導入してから楽曲のアレンジが根本的に変わりました。これまで『音が濁るから』と諦めていた複雑なリフが、全部クリアに表現できるようになったんです。

特に8弦ギターでのExtended Rangeでの演奏では、Riotの威力は絶大です。最低音弦でも音程がハッキリ聞こえるタイト感は、他のペダルでは絶対に得られません。バンドメンバーからも『ギターの音がめちゃくちゃクリアになったね』と驚かれています。

Position切替による音色変化も革命的です。楽曲の構成に合わせて瞬時にキャラクターを変えられるので、一台でリズムギターとリードギターの両方をカバーできます」

ライブハウス店長 R氏の観察レポート

「うちの店には毎月200組以上のバンドが出演しますが、Riotを使うギタリストの演奏は明らかに違います。音が客席の最後尾まで確実に届く貫通力があるんです。

特に印象的だったのは、普段大人しめの音楽をやっているアコースティックバンドのギタリストが、Riotでハードロックナンバーを演奏した時のこと。客席が一瞬でヘッドバンギング状態になりました(笑)。それほど人を興奮させる『何か』がRiotの音にはあるんです。

店のハウスアンプ(JC-120)でも、RiotがあればMarshall Stackのような迫力が出せる。これは本当に驚愕です」

Suhr Riot 使用アーティスト:最前線を駆ける戦士たち

Guthrie Govan

  • 驚異的なテクニックと幅広い音楽性を持つ現代のトップギタリスト。Suhrのシグネチャーモデルを長年使用しており、Riotペダルも彼の洗練されたサウンドの一部を担っています。

Pete Thorn

  • プロのセッションギタリストであり、YouTubeチャンネルでも絶大な人気を誇る機材レビューの第一人者。Riotペダルの開発にも深く関わっており、彼自身のデモ動画でその素晴らしさを余すところなく伝えています。

Reb Beach (Whitesnake)

  • WhitesnakeやWingerのギタリストとして知られるハードロックのベテラン。アンプライクなRiotのサウンドが、彼のパワフルなロックトーンに貢献しています。

Brad Whitford (Aerosmith)

  • Aerosmithのギタリストとして、長年ロックシーンを牽引してきた大御所。彼のブルージーで骨太なサウンド作りにRiotが使われています。

Geordie Greep (Black Midi)

  • vant-progバンド、Black Midiのフロントマン。実験的で予測不能なサウンドを特徴とする彼のギタープレイに、Riotの独特な歪みがスパイスを加えています。

Dave Kilminster (Bryan Adams, Roger Waters)

  • Bryan AdamsやPink Floydのロジャー・ウォーターズのバンドで活躍するギタリスト。特にロジャー・ウォーターズのライブでは、Riotが彼の多様なトーンパレットの一部を担っています。

Ian Thornley

  • Big Wreckのフロントマン。RiotをはじめとするSuhrの機材を愛用しており、ライブやレコーディングでそのサウンドを聴くことができます。

Andre Nieri

  • ブラジル出身のテクニカルギタリスト。正確無比なピッキングとスムーズなレガートを特徴とする彼のサウンドに、Riotのクリアな歪みがマッチしています。

Andy Wood

  • カントリー、ロック、フュージョンなどジャンルを問わず活躍するバーサタイルなギタリスト。Suhrの製品を広く使用しており、Riotも彼の機材の一つです。

Leo Moracchioli (Frog Leap)

  • 人気YouTuberであり、メタルアレンジで知られるFrog Leapのフロントマン。彼のメタルサウンドにもRiotの歪みが使われています。

戦闘的ライバル機との全面戦争比較

vs BOSS MT-2:定番メタルペダルとの決戦

戦闘要素Suhr RiotBOSS MT-2
攻撃力(ゲイン)★★★★★★★★★☆
精密度(分離感)★★★★★★★☆☆☆
エネルギー密度★★★★★★★★☆☆
価格という名の参入障壁¥40,000前後¥14,000前後
戦場対応力あらゆる現場で無敵ホームユース中心

Riot完全勝利。MT-2は入門用としては優秀ですが、プロフェッショナルな戦闘では相手になりません

vs ProCo RAT2:ヴィンテージ戦士との激突

戦闘要素Suhr RiotProCo RAT2
現代的タイト感★★★★★★★☆☆☆
エッジの切れ味★★★★★★★★☆☆
元気度(エネルギー)★★★★★★★★★☆
ヴィンテージ魂★★★☆☆★★★★★
戦術の多様性★★★★★★★☆☆☆

現代戦ではRiotの勝利。RAT2は歴史的価値で対抗するも、現代の戦場ではRiotの圧勝

vs Friedman BE-OD:アンプメーカー同士の頂上決戦

戦闘要素Suhr RiotFriedman BE-OD
タイト感★★★★★★★★★☆
エッジの鋭さ★★★★★★★★★☆
元気さ(明るさ)★★★★★★★★☆☆
操作の直感性★★★★☆★★★★★
個性の明確さ★★★★☆★★★★★

BE-ODの繊細さも素晴らしいが、現代的なエッジ感ではRiotが一枚上手

vs Wampler Sovereign:現代ハイエンドペダル最終戦争

戦闘要素Suhr RiotWampler Sovereign
超ハイゲイン耐性★★★★★★★★★☆
タッチレスポンス★★★★★★★★★☆
エッジ & 切れ味★★★★★★★★★☆
価格戦闘力¥50,000前後¥40,000前後
ブランド威光アンプメーカーペダル専業

最高レベルの戦いですが、アンプメーカーとしてのバックボーンがRiotに軍配を上げさせます。

まとめ:Riot一台でたちまち「100wのフルスタックサウンド」級に

Suhr Riotは、“天才”ジョン・サーが半世紀にわたって培ったアンプ設計の叡智を、9V駆動のコンパクトペダルに凝縮させた奇跡の結晶。

  • 創造性の解放: 音質への妥協から解放され、純粋な音楽表現に集中可能
  • 技術向上の促進: 正確なタッチレスポンスによる演奏技術の自然な向上
  • 音楽的視野の拡大: 3つのヴォイスによるジャンル横断的な創作支援
  • プロフェッショナル環境の実現: スタジオクオリティのサウンドをどこでも
  • 長期的投資価値: ブランド価値とリセールバリューの安定性

約5万円という価格は歪みペダルとしてはかなり高額な部類です。しかし、どんなクリーンアンプもこの一台でたちまち「100wのフルスタックサウンド」級になると思えばとてもリーズナブル!

特に、低音域の振る舞いがまさしくOD-100系のそれなので、LAギタリストなサウンドがお好きな方にはドハマリする一台だと思いますよ!

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