
「なんだこれ、、まんまあの憧れの曲のトーンじゃないかよ!」
例えば、エアロスミスやローリング・ストーンズのレコードを聴いた時に感じる、あの剥き出しで肉肉しいギターサウンド。
真空管が悲鳴を上げつつも、極上の倍音を四方八方に撒き散らしているような、あの「生きた音」が、クリーンからオーバードライブまで止めどなく溢れ出します。
1930年代の設計思想を現代に蘇らせたDr. Z Amplificationの職人魂と、エフェクト界の異端児EarthQuaker Devices(EQD)の狂気が融合。その結晶こそが、EF86真空管を内部電圧200Vで駆動させる怪物プリアンプ「ZEQD-Pre」です。 このペダルは、あなたのギターシステムに「アメリカン・ロックの男臭い血潮」を注入する、真の心臓部となるでしょう。
ブルースやクラシックロックにドンピシャでハマる、トップレベルのお宝プリアンプなので、その至福のトーンをご賞味あれ!
使用レビュー:ファットで哀愁を帯びた密度の高いサウンド
ZEQD-Preのスイッチを入れた瞬間、明らかに空気が一変します。
耳に飛び込んでくるのは、どこまでもファットで哀愁を帯びた、驚くほど密度の高いサウンド。内部200Vという高電圧がEF86真空管に命を吹き込み、音の芯に「意思」を宿らせるのです。
単純なオープンコードやパワーコード、あるいは一発の単音チョーキング。それだけで、ここまで溜息が出るほどカッコよく鳴るプリアンプはそうそうありません。 Dr. Zアンプしか出せない野性味やある意味で退廃的な男の美学。
トーンだけでリスナーを黙らせる威力はハンパないですよ...。いや〜、どこまでも男臭くてカッケー!(笑)
内部200V昇圧による「本物」の真空管動作
ZEQD-Pre最大の特徴は、一般的な9V電源を内部で200Vのプレート電圧まで昇圧していることです。多くの真空管ペダルが低電圧(低電力)で「歪みエフェクト」として動作させる中、ZEQD-Preは真空管アンプのプリ部と全く同じ環境を再現。
これにより、コンプレッション感に頼らない、オープンでレンジの広いサウンドを実現しています。ピッキングに対するレスポンスは、もはやエフェクターではなく「高級アンプ」そのものです。
EF86ペントード管がもたらす唯一無二の倍音
12AX7(ECC83)ではなく、あえてEF86管を採用した点にDr. Zの拘りを感じます。EF86特有の、ハイファイでありながらどこか哀愁を帯びた、音楽的な中高域の膨らみ。
クリーン設定では弦の振動が手に取るように分かり、ドライブさせた瞬間にクリームのように滑らかなクランチへと変化する。このグラデーションの美しさは、EF86でなければ得られないものです。
BoostスイッチによるEQバイパスとフルレンジ・ドライブ
ZEQD-Preには、独立したBoostスイッチが搭載されています。このブーストをオンにすると、3バンドEQセクションがバイパスされ、信号は直接EF86を猛烈にドライブさせます。
EQを通らないダイレクトな信号が真空管を叩くことで、音痩せとは無縁の「極太のリードトーン」へと変貌。バッキングからソロへの切り替えにおいて、これほど説得力のあるブーストは他に類を見ません。
スタジオクオリティのDIアウトとキャビシミュ
背面には標準のフォンアウトに加え、XLRバランス出力を装備。特筆すべきは、アナログ設計のキャビネットシミュレーターです。
デジタル特有のレイテンシー(遅延)が皆無なアナログ回路で構築されており、ライン録音でも空気感を含んだリアルなアンプサウンドが得られます。ステージから卓(ミキサー)へ直接信号を送る「アンプレス・スタイル」の完成形がここにあります。
驚異の10MΩ入力インピーダンス
ギターの信号を一切損なわないよう、入力インピーダンスは10MΩという極めて高い値に設定されています。
これにより、パッシブピックアップの繊細な高域成分を完全に保持したままプリアンプへと導きます。ボリュームを絞った際のトーンのクリアさも特筆もので、ギター本体のボリューム操作がこれまで以上に楽しくなるはずです。
本格的なヘッドフォンアウトによる「深夜の最高音質」
ヘッドフォン端子にも抜かりはありません。EF86を通過した後のリッチなサウンドを、高品位な内蔵アンプで増幅。
「深夜でも本物の真空管アンプをフルアップした音で練習したい」というギタリストの夢を、最高レベルで叶えてくれます。宅録環境におけるモニターとしても、ZEQD-Preは極めて優秀なハブとして機能します。
EarthQuaker Devices×Dr. Zという、アメリカン・クラフトマンシップの結晶
製造はオハイオ州アクロンのEarthQuaker Devices工場で行われ、設計にはDr. Zの知識が惜しみなく注ぎ込まれています。
カスタム成形の筐体、高品質な内部パーツ、そして何より「音の良さ」に対する両社の意地が感じられる作り。手にするだけで、これからの演奏が一変することを予感させる「風格」を備えています。
ヴィンテージアンプをペダルに封じ込める
真空管アンプの黄金時代を足元に
1950年代から60年代にかけて、ギターサウンドの定義を作ったのは真空管アンプでした。しかし、現代のステージ環境では、大きなアンプを鳴らし切ることは難しくなっています。
ZEQD-Preは、その「アンプを鳴らし切った時のマジック」をペダルボード内で再現するために生まれました。EF86が200Vで駆動する際に生み出す、あの「音圧という名の物理的な振動」を、ライン出力や小さなアンプからでも引き出すことができるのです。
Dr. Z Amplificationの哲学
ドクターZことマイク・ザイディ氏のアンプは、無駄を削ぎ落としたシンプルな回路と、圧倒的なレスポンスで知られています。
ZEQD-Preに搭載された3バンドEQは、まさにDr. Zアンプのトーンスタックそのもの。どの位置に設定しても「野性的な太い音」しか出ないように綿密にチューニングされており、プレイヤーは迷うことなく自分のトーンを見つけ出すことができます。
詳細スペック&ビジュアルインプレッション
基本仕様
| 項目 | 詳細 |
| 製品名 | EarthQuaker Devices ZEQD-Pre |
| タイプ | アナログ真空管プリアンプ / DI / ヘッドフォンアンプ |
| 真空管 | EF86 ペントード管 × 1 (内部200V駆動) |
| 電源 | 9V DC 500mA以上(センターマイナス) |
| 出力端子 | Phone Out / XLR DI Out / Headphone Out (同時使用可) |
| 寸法 | 約149mm x 100mm x 70mm |
| 製造国 | アメリカ(オハイオ州アクロン) |
| 参考価格 | ¥80,000前後 |
アンプブランド共同開発の美学
ZEQD-Preの外観は、EQDらしい無骨なデザインにDr. Zのクラシックなロゴが融合しています。
中央に鎮座するEF86を守る頑丈なプロテクター。そして、操作性に優れた5つのノブ(Level, Treble, Mid, Bass, Boost)。
青白く光るLEDインジケーターは、ペダルが生きていることを誇示するように輝きます。ノブを回した時のトルク感は高級オーディオ機器のように滑らかで、微細な音作りを強力にサポートします。
ジャンル別完全攻略セッティング集
ブリティッシュ・インベイジョン:60'sトーン
設定:
- Level: 12時
- Treble: 2時
- Mid: 11時
- Bass: 9時
- Boost: OFF
EF86の真骨頂。Trebleを強調し、Bassを抑えることで、あの「チャイミー」で鈴鳴りする高域を再現。リッケンバッカーやAC30サウンドを愛するプレイヤーには堪らない、エッジの効いたクリーン~クランチが得られます。
モダン・カントリー:Dr. Z 特有のパンチ
設定:
- Level: 11時
- Treble: 1時
- Mid: 1時
- Bass: 12時
- Boost: 9時(常時ON)
Boostを軽くオンにすることで、EQをバイパスしたフルレンジな太さをプラス。コンプレッション感が少なく、指先のニュアンスがダイレクトに音になるため、チキンピッキングや高速なフレーズでも音がボヤけません。
ライブ・レコーディング:究極のアンプレス・セットアップ
設定:
- Level: 10時
- EQ: 全て12時
- Cab Sim: ON (DI Out使用)
ペダルボードの最後に配置し、XLR端子から直接PAやインターフェイスへ。ZEQD-Preを「基本の音」として据え、前段のドライブペダルで歪みを作るセッティングです。デジタルシミュレーターでは得られない「アナログの空気の壁」がミックスの中で圧倒的な存在感を放ちます。
知人プロが語る:ZEQD-Preとの出会い
スタジオエンジニア S氏の証言
「最近はプラグインの進化も凄まじいですが、ZEQD-PreをDI経由で録音した時の『中低域の密度』と『中高域の抜け』には正直脱帽しました。
200Vで駆動しているからか、ダイナミックレンジが異常に広いんです。いわゆるフルレンジ。ミックス時にEQをほとんど弄らなくても、最初から『聴きたい音』で録れている。これはレコーディング・ツールとして革命的ですよ」
セッションギタリスト K氏の体験談
「ツアーで地方のアンプが選べない現場が多いのですが、ZEQD-Preをリターン挿し(パワーアンプ直接入力)で使うようになってから、ストレスが一切なくなりました。
どの会場でもDr. Zのあのオープンなサウンドを持ち運べる。特にBoostをオンにした時の、真空管が悲鳴を上げつつもクリアさを保つあの質感。これだけでご飯が三杯食べられますね(笑)」
ライバル機との徹底比較:ハイエンド・プリアンプとの決戦
ZEQD-Preは間違いなく「お宝」と呼べる逸品ですが、市場には他にも名だたるプリアンプが存在します。しかし、「肉厚な生々しさ」という一点において、ZEQD-Preがいかに突出しているか。ライバル機と比較することで、その真価を浮き彫りにします。
vs Universal Audio「UAFX Ruby '63」:デジタル最高峰との対決
| 項目 | ZEQD-Pre | UAFX Ruby '63 |
| 回路方式 | 内部200V駆動 真空管アナログ | デジタルDSP(モデリング) |
| 音色の核 | EF86管の実機による飽和感 | 精密なアルゴリズム再現 |
| ダイナミクス | 指先に吸い付く「生」の反応 | 整理された扱いやすさ |
| 操作性 | 直感的なアナログ・ノブ | アプリ連携を含む多機能 |
【分析】
RubyはVOXサウンドの再現として最高峰のデジタルペダルですが、ZEQD-Preと並べるとその差は明確です。デジタルが「完璧に録音された音」を目指すのに対し、ZEQD-Preは「今、そこでアンプが鳴っている振動」そのもの。特に単音チョーキング時の、音が消えゆく寸前の倍音の粘りは、アナログ真空管でしか到達できない聖域です。
vs Kingsley「Maiden / Jester」:真空管ペダル界の重鎮比較
| 項目 | ZEQD-Pre | Kingsley ペダル |
| 真空管 | 希少なEF86ペントード管 | 汎用的な12AX7 |
| サウンド傾向 | 肉厚で哀愁のあるロックトーン | ハイファイで端正なトーン |
| 入手性 | 国内正規品が安定供給 | 海外直販メインで入手困難 |
| 機能 | EQバイパスBoost・DI搭載 | 基本的なプリアンプ機能 |
【分析】
真空管駆動ペダルの最高峰として君臨するKingsley。しかし、彼らが12AX7を中心とした優等生的なトーンなのに対し、ZEQD-PreはEF86由来の「荒々しく、より密度の高い」キャラクターを持っています。エアロスミスのような野性味を求めるなら、EQDとDr. Zが導き出したこの「肉感」に軍配が上がります。
vs Victory Amps「V4 The Jack Preamp」:多段管駆動との違い
| 項目 | ZEQD-Pre | Victory V4 Preamp |
| 真空管数 | 1本(高電圧1段) | 4本(多段構成) |
| サイズ感 | ボードに収まりやすい標準サイズ | かなり巨大で専用電源が必要 |
| キャラクター | ヴィンテージ・ロックの質感 | モダン・ハイゲインまで網羅 |
| 出力 | XLR DI・ヘッドフォン完備 | 基本はアンプ接続専用 |
【分析】
Victoryは複数の真空管で深い歪みを作りますが、ZEQD-Preはたった一本のEF86を極限まで使い切る設計です。多段構成はどうしても音が「コンプレッションされすぎる」傾向にありますが、ZEQD-Preはオープンコードを弾いた時の解像度が段違いです。シンプルゆえの力強さ、これこそがクラシックロックに必要な要素です。
まとめ:生半可な気持ちで弾くと返り討ちに合う
ZEQD-Preは、決してプレイヤーを甘やかす「誰でも良い音を出せる」ペダルではありません。むしろ、「生半可な気持ちで弾くと返り討ちに合う」ほどの圧倒的なレスポンスと剥き出しのダイナミクスを突きつけてきます。ごまかしの効かない真空管のリアルな挙動は、あなたのピッキングの未熟ささえも冷徹に暴き出すでしょう。
しかし、そのハードルを越え、魂を込めて弦をしばきあげた瞬間、この上なく男臭く、骨太な黄金のロックサウンドが応えてくれます。
繊細な優等生サウンドとは無縁の、泥臭くも高潔な響き。この「じゃじゃ馬」を乗りこなした時、あなたのギターはかつてない熱量を帯びて歌い始めます。本物のロックをやる覚悟があるか?――ZEQD-Preは、常にそう問いかけてくる「お宝」なのです。



